【感想・ネタバレ】天邪鬼のすすめのレビュー

あらすじ

「壮大なまわり道の中で研ぎ澄ました私の感性……頼れるものは、それしかない」
不安の時代を生き抜くヒントに富む、
ベストセラー作家の自伝的エッセイ

厳格な軍人家族に生まれた著者は、敗戦によってすべての価値観が根底から覆ってしまう。凛として「恥を知る」ことを説いた父が、戦後は見る影もなく落魄。そのくせ世の中が落ち着くと、徐々に昔の価値観に戻っていく……。そんな父と、暁子は確執を深める。家の中はぎくしゃくし、母とも心が通じなくなっていく。

また、結核を患ったせいで、幼い暁子は長期の入院を強いられた。外で遊ぶこともならず、彼女はおのずと自分自身に向き合うようになる。敗戦と結核、これが原点となった。

家族と離れて自由を謳歌した高校・大学時代。NHK入局後、野際陽子との出会いで悟った「私は私」という境地。そして、ある音楽家の男性との運命的な出会いと大失恋。さらに、パートナーを得た後にも暁子に影を落とす父と母の存在……。

波瀾万丈の来し方を振り返りながら、著者はあるヒントを投げかける。「天邪鬼」であること。そして「おめでたさ」を失わないことの大切さ。挫折と思えたものを逆転してこられたのは、天邪鬼とおめでたさがあったからこそ。

自分で考え、反骨を忘れない。自分で食べる。自分で決める……その大原則さえ守っていれば、人は自由に生きることができる。切れ味鋭く、かつ滋味深い著者の言葉は、不透明な時代を生き抜くための力を与えてくれる。

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Posted by ブクログ

NHKアナウンサーから作家へと転じた筆者の半生を振り返るエッセイ。軍人の家庭で幼い頃は裕福に暮らし、それでも終戦後は両親への反発から独立心を持ち、転じて本人曰くは天邪鬼な気質で生活してきた心情をやや淡々と綴る。

NHKで1つ先輩だった野際陽子など関わりの深かった著名人の名前が多く出てくるが、親族や恋人など、葛藤のあった身近な人は名前は出さず、また細かい所までは説明を省略しており、ドラマ性の高い人生ながらも筆者の心情が感傷に浸りすぎることなく流れている。

女性は家庭を守るのが当たり前とされた時代にあって「一人で食べていく」ことを時に揺らぎながらも貫徹。そんな筆者の天邪鬼な人生が凝縮されている。

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2026年05月20日

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