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あー、やっぱり
著者の「医学のたまご」を読んで、本書を読むことに決めました。
発売当時に読んでいたはずで、物語の骨格は記憶にありました。でもクールウィッチにしてやられました。コテンパンに。
ジェンダーフリーの世の中、「女性」である人は、より共感し考えさせられるのではないでしょうか。
マドンナ・ヴェルデをこの後読みます。
Posted by ブクログ
読み終わりました。
そうですねぇ。。。
東城大とは違って帝華大が出てくる話で
「極北クレイマー」の三枝先生や
「輝天炎上」でさらっと出て来た
三枝茉莉亜先生など
直近で読んだ人物が関係してくるとあって
しっかり読み進めました
とは言っても、不妊治療・体外受精・代理母出産
など凡人にはなかなか難しかった作品ですね
今後、また出てくるのかな?
Posted by ブクログ
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帝華大学医学部に属し、不妊治療を専門とする曾根崎理恵は大学で学生に発生学を教え、研究のかたわら、週一回非常勤としてマリアクリニックで診療を行っている。
閉院間近のマリアクリニックが抱える患者は五人。
年齢や境遇が違う彼女たちの出産、それぞれを待ち構える試練。
彼女たち、そして、生命、地域医療を脅かす問題に真摯に向かう理恵。
そんな中、彼女をよく知る清川准教授はとある噂を耳にし…。
*****
『チーム・バチスタ』シリーズも少しずつ読んでいますが、舞台はつながっているけれど、こちらには白鳥&田口コンビは出てこない。
映画化ということもあって、気になっていた作品。
生命倫理、代理母出産、地域医療、産婦人科医療の抱える問題。
テーマを挙げると、重い。
これから生まれてくる、新しい命を支えてくれているお医者様、そしてその患者となりうる私たちの危機へとつながることだ。
出てくる妊婦さんは、みんな自分の子供を無事に産みたい、当たり前の願い、でも、それが叶うことは当たり前じゃない。
私も大人になって、赤ちゃんを授かること、授かった後、お腹の中で育て無事出産の日を迎えること、五体満足で生まれてきてくれること、それらが易くはないことを知った。
小さい頃はそんなこと、分からなかった。
理恵も言っていたように、“奇跡”なのだ。
勿論、海堂さんの小説らしく、エンタテイメントある物語として、ドキドキもハラハラも、そして、胸にぐっとくるシーンも、ある。
登場人物たちも魅力的。
清川先生はカッコイイし、屋敷教授のキャラクタも外せない。
学生たちと理恵のやりとりも好きだった。
マリアクリニック院長である茉莉亜先生の迫力。
母になったことで妊婦たちが理恵を驚かせるくらいの強さを見せたりと今回の物語における重要な5人の妊婦のそれぞれの道程からも目が離せない。
そして、一番大きな秘密と企みを抱えた“クール・ウィッチ(冷徹な魔女)”、曾根崎理恵。
恐ろしさすら感じる彼女の医療への、そして、自分の望みへの意志、想いに、息を呑む。
強く、冷静であるだけではない部分も描かれているが、突き進む様はクール・ウィッチ…まさに。
女性としては未経験とはいえ、共感できる部分もやはりあり…この作品は男性が読んだらどう感じるのでしょう??
ちょっと気になる。
Posted by ブクログ
命の大切さや生まれてきた奇跡というのを感じられる作品でした。自分が母親になった時にもう一度読み返したい本です。出産に至るまでには色々な危険があるんですね。自分が五体満足で健康に生まれてきたことがどれだけ恵まれていることか、痛感させられました。
ただ、最後の終わり方が少し不服だったというか。。双子の母親が理恵だったところまでは想像できたのですんなり読めましたが、その後が複雑だし非現実的というか、、ただ医療従事者が職権を濫用して犯罪をおかしただけのようにしか感じられませんでした。そこがフィクションならではで面白いのかもしれませんが。トータル的には良い作品だったと思います。
Posted by ブクログ
「死因不明社会」でAiについては書き切った感が
あったのだと思いますがここまで海堂作品としては
毎回折りに触れて出ていたAiという言葉は全く出てこなかったですね。
今回のメインは不妊治療や発生学の視点で頭では理解できているものの
目から鱗というかそんな感じの内容でした。
人一人が産まれるということは本当に尊いことなのだなぁと
再認識させられました。
舞台があまり馴染みの無い帝華大学ということで
いつものキャラがあまり出てこないのですが
主人公の曽根崎理恵は理路整然としているものの
人情味もあって好感が持てるキャラでした。
Posted by ブクログ
これは「極北クレイマー」のその後。産婦人科領域は萎んでいく。地方医療は特に。加えて本書では、一人の女医が医学生に講義するように、人が子を産むということの現実を突きつける。この講義、面白かったです。クールウィッチなんて言われてたけど、妊婦さんの決断には結構感情揺さぶられてて、なんかよかった。彼女も一人の女なのだ。そんな彼女が操る「遺伝子の円舞曲」は、果たして心から称賛されるものなのか?彼女はどこまで行くのだろうか。
Posted by ブクログ
小説として物語の内容や
最後の結末への展開は面白いとは思います。
でも個人的に、主人公の曾根崎理恵の医療行為は
決して許されることではない犯罪レベルの話なのにそれが曾根崎理恵の個人的考え方から美化されてしまっている結末がとても嫌でした。
フェアとか言いながら本人は分かってやってるからいいのかもしれないけど、それを知らずにいる荒木夫妻や、勝手に知らない間に父親になってるかもしれない清川先生がとても可哀想に思いました。
そして、物語の中で曾根崎理恵が“冷徹な魔女(クール・ウィッチ)”と呼ばれていることに最後の彼女の行為を読み終えた時、ぴったりだと思いました。