あらすじ
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万葉集の歌が詠まれた時代、まだ「ひらがな」も「カタカナ」もありませんでした。声に出して詠んだものが、のちに文字として残されたのです。奈良時代の名もなき人から天皇までが詠った、万葉の秀歌。齋藤孝先生が厳選した楽しい歌と“使える解説”を、ぜひ声に出して読んでみてください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
万葉集には現代に通ずる感性が込められた歌が多い。
人の心は今も昔も不変であり、どんな者であれ恋をし哀しみ人生について考えるのだと、 数数の詩を通じて知れるなら、幾許かの不安はふっと薄まる。
P56「磯の上に〜」
せっかく美しい花を見つけても、これ綺麗だね!と報告したり嬉しさを分かち合う人がいないさびしさ。これは刺さる。折角沸いた楽しい感情が、瞬時に底抜けの絶望に変わる。
孤独を感じるのはこういう時だ。
P58「降る雪は〜」
雪が降っている光景を見て、土の下に眠っている人が寒がるから、そんなに降らないでくれ、という歌。
キレイな雪景色が一瞬にして胸が詰まるような悲しく苦しい景色に変わる。
故人への温かい思いやりを感じると共に、ユキを人に例えて語りかけるところに豊かな情緒を感じる。
P76「憶良らは〜」
宴会から脱するときの決めゼリフ。
「今は罷(まか)らむ、子泣からむ」
もう帰りましょう、家で子どもらが泣いているだろうから。という意味で、当フレーズは昔の定番だったという。
なんとも趣のある言葉だなぁ。
P84「生ける者〜」
人はいずれ死ぬのだから、この世にいる間はせめて面白おかしく暮らしたい!
という享楽的な歌。
昔の人(大伴旅人)も開き直って楽しく生きようとしていたのだなあ。なんだか安心する。
P88「君待つと〜」
あなたが来るのを恋しく思って待っていると、家の簾すだれ が揺れて、「あっ!来たかな?」と思ったけど秋の風が吹いただけだった。
おおおー!なんとも哀愁漂う、秋の爽やかな風が物悲しさを運んでくる。風流な詩だけど、繊細さも感じられる。
風が吹いてすだれが揺れた、だけならただの情景だけど、わたしは好きな人が来るのを待っている。という背景が加えられると、その様子に奥行きが生まれてくる。この歌も胸に刺さった。
心の琴線に触れる、天才的な感性!
P138「わが背子と〜」
親しい間柄の人と一緒に見るのなら、
いま降っている雪でさえも嬉しく感じられるんだなぁ。
「2人で共有する楽しさ、幸福」
そんな胸がホッコリする感情が見事に表現された歌。
お互い様向き合うのではなく、同じ方向を見ているのがまた良い!
Posted by ブクログ
見開きで1ワード。万葉集の世界の言葉の使い方を知ることができる。代用品でなんとかしようという意味の、「椎の葉に盛る、でいこう」は、日常でぜひ使いたい万葉集言葉だった。