【感想・ネタバレ】密告はうたう 警視庁監察ファイルのレビュー

あらすじ

かつての仲間も容赦しない。それが俺の仕事だ――。警察職員の不正を取り締まる部署、警視庁人事一課監察係に所属する佐良は、捜査一課所属時の元同僚で、現在は運転免許場に勤務する皆口菜子の監察を命じられた。彼女が免許証データを売っているとの、内部からの密告があったのだ。佐良は、上司とともに皆口の尾行を始めるが、やがて未解決事件との接点が……実力派の俊英が放つ警察ミステリー!池上冬樹氏(文芸評論家)、激推し!! 裏切り者がこの中にいる――緊迫の人間ドラマ!「いやあ面白い。…三つの事件が出たり入ったりして葛藤劇を形作っていく。緊迫の度合いを高め、いったいどうなるのかと先の展開を期待させて、一気に結末へと読者を引っぱっていく。しかも人物と読者の感情をかきたてながら」――池上冬樹氏(文芸評論家)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「市民にとって警察は最後の砦だ。その警官を取り締まる監察は、砦の最後尾を守っている。後ろに誰もいない私たちに失敗は許されない。」

警察内部の不正を暴く「警察の中の警察」と称される警視庁警務部人事一課監察係を舞台とした警察小説。横山秀夫の『影の季節』シリーズを思い出す。全く筋が読めない緻密なストーリー展開の中に、魅力的な登場人物、複雑な人間模様、警察内部の駆け引き・軋轢が盛り込まれ、終始前のめり状態。伊兼源太郎、すごい!出会えて嬉しい!

監察に公安出身者が多いと知り驚いたが、行確の過酷さと緊迫感、求められる高度な判断力に、なるほど、となる。特に、胸に秘めた熱いものをおくびにも出さず、”プロの行確”を見せつけ、徹頭徹尾冷徹さを貫ぬく須賀にはしびれまくった。


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2024年12月13日

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