【感想・ネタバレ】「お客様」がやかましいのレビュー

あらすじ

現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか、不満は増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

現代に蔓延る「お客様」扱いを、お客様扱いする方とされる方の両方から分析している。さらにその問題点や、クレームや暴行はお客様扱いするからこそ生まれることも指摘。なんとなく閉塞的な世の中を、ちょっと解明する本なのかもしれない。読みやすかった割には得るものが多くて良かった。

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2019年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 お客様は神様ですと言って大事にしてあるいはスリスリした結果が今回の本に書かれているようなことが起きている。つい最近、電車に乗っていて駅で止まったまま動かなかったのでどうしたのかと思ったら、アナウンスで何とか駅でお客様対応中ですと言っていた。人身事故ならはっきり言うはずだから、乗客同士のトラブルか、駅員に対するドラブルかと思われる。

 「お客様」による暴言、暴力が多いのがコンビニ、電車と著者は指摘している。イライラ、ギスギス、セカセカしている社会の中で暮らしていると、怒りの矛先が店員に向けられることが増えると言える。

 学校でも生徒をお客様扱いするところが出ているというのには、驚いた。しかも体育会系のクラブでも部員をお客様扱いするところが出ている。びしびしするのが体育会系かと思ったら、厳しくすると部員が逃げるのでそうしているとある。外見はマッチョでも中身はひ弱な部員が増えている証拠か。オリンピックでメダルが取れる選手が減る心配があるなあ。

 「お客様」が暴力的になる理由として著者はいくつか挙げている。客は常連と認められたい、貴重な苦情を言ってやっているという意識。店員の中には、あぜんとするような、あるいはムカムカが臨界点に達しそうな人もいるが、恐ろしい。

 おもてなしを売り物にして海外に打って出ている日本の飲食店がいろいろと話題になっている。店員はお客より一歩下がる存在という日本では通用する仕組みだが、海外に持っていくと現地で従業員になる人はどう思うのか。お客様は神様というのは経営者側にとってはよいだろうが、従業員にとっては迷惑な発想だったりして。

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2012年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか、不満は増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。
「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。

[ 目次 ]
第1章 「お客様」社会先進国ニッポン(消費者社会としての日本社会;「お客様」社会としての日本社会;広がる「お客様」化;「お客様」になれば認めてもらえる)
第2章 「お客様」による暴力はなぜ増える?(「お客様」社会は問題か?;「お客様」は「荒ぶる神様」;「お客様」が暴力的になる理由)
第3章 客を客とも思わない店員―労働者から誇りを奪う「お客様」社会(「お客様」社会の逆説;スーパーと職人;スーパー、職人、マニュアル;失礼なバイト店員が増えた理由;失礼な職人的店員が増えた理由)
第4章 教育の「お客様」社会化は、学ぶひとを不幸にする(学校教育の「お客様」社会化;「お客様」社会化した大学の現状;「お客様」社会化した大学の問題点;学校教育の「お客様」社会化マッチポンプ)
第5章 「お客様」意識からの脱却(不満排除システム;不満排除の逆説的帰結;せいぜい「お客さん」)

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2013年01月23日

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