あらすじ
現役の駐キューバ大使の著者が、着任して、住んで、見て、聞いてわかった現在のキューバの実態を明かします。キューバにまつわる基礎知識から、政治・経済・対外関係・歴史・文化・社会・生活のあれこれを、エッセイ感覚で読むことができます。キューバで生活していると、「新たな疑問が尽きません」が、その答えを見つけ出すのは「えらく苦労する」か「見つからない」と著者は言います。本書ではそうした状況でも不屈の精神!?をもってキューバの謎解きに挑んだ成果をお伝えします。観光しただけではわからない、巷で言われているイメージとはちょっと違ったキューバの姿が見えてくる一冊です。
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Posted by ブクログ
キューバの歴史から日常生活のあれこれまで書かれている。
共産主義で社会主義、教育水準は高いが医師でも平均月収50ドル程度。
常に物資不足。インターネット環境も悪い。
いろいろな統計もあって勉強になった。
Posted by ブクログ
大使もの。退官記念ではなく、現役大使なのか。キューバ大使本というと、フィデル・カストロを現人神に讃えた伝説の田中三郎だが、あれは新左翼の同時代社の本だったか。さすがに外務省がヤバイと思ったのか分からんが、田中の次の大使が馬渕睦夫。極端から極端としか言いようがないが、馬渕本にその辺の経緯が書いてのあるかな。チャンネル桜とかまではさすがにチェックしないが。でもって、その後の大使は神崎愛と結婚した人がいるくらいで、目立った人はいないのだが、何とこの現大使がスペイン語を話す初めての駐キューバ大使なのだという。あれだけ需要があるのだから、外交官もスペイン語スクールという派閥もあるはずだが、ひょっとして、「米国の裏庭」だから、キューバは代々英語屋の牙城なのか。「知られざるキューバ」なんて冷戦時代でもあるまいしとも思ったのだが、本当に知られざる話が結構ある。革命前のキューバ人は暗黒世界の住民というのが一般的な見方だが、革命前年の統計によれば、平均賃金は世界8位でデンマーク、ノルウェーの次。農業従事者に限っても世界7位。識字率は76%(82%とも)、一人あたりの医者数ではアルゼンチン、ウルグアイに次ぐラ米3位。新生児死亡率では3.76とトップであったらしい。つまり革命政権が成し遂げた成功物語は革命前の礎があったからであって、この辺は戦後日本の経済成功が戦前の蓄積によるものと同じ構図である。