あらすじ
貴君、僕は大阪へ行って来ようと思う――。一九五〇年秋、この一言から汽車に乗りたかった内田百間の『阿房列車』シリーズは始まった。以後、五年間にわたる全行程に同行した〈ヒマラヤ山系〉こと元国鉄職員の著者。百鬼園の旅と日常を豊富なエピソードを交えつつ綴った好エッセイ。
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Posted by ブクログ
阿房列車3冊を読んで、百閒ワールドに興味を持ったなら、この本は必読。
阿房列車をごはんに例えるなら、この本は味噌汁。
阿房列車をパンに例えるなら、この本は牛乳です。
憧れの内田百閒に初めて会う直前のドキドキとか、なるほど後世に残った師弟関係はこうして始まったのか、と。
大学を卒業させてくれた話や、国語辞典や漢字辞典をプレゼントしてくれた話も、印象に残りました。
読んでみてよかった!
Posted by ブクログ
じ〜んときてしまった(;−;)
『阿房列車』シリーズに
「ヒマラヤ山系君」として登場する平山三郎氏の回顧録。
もともと国鉄職員で、百閒先生のファン。
広報誌に寄稿してもらうため
先生のもとを訪れてからのつきあい。
百閒先生ったら、本当にテツだったのね。
鉄道は大好きだから喜んで書きましょう!
と、平山氏が拍子抜けするくらい
快諾してくれたそう(笑)
それからの二人の「阿房列車」行の裏側
(先生はあんな風に書いてるけど実は…みたいなこととか)
編集者としての先生とのつきあい
(師匠・漱石に似て、
漢字かなづかいの校正にウルサイとか)
晩年の先生との想い出…。
旧かなづかいの文章が多くて、正直読みにくかったけど
とても、とても良かったのだ。
百閒先生の人となりが伝わってきて
平山氏が本当に先生を慕っていたんだなぁ…
というのがわかる。
文句たれで偏屈で頑固で、と書きながら
「ほんともう、仕方ないんですよ、うちの先生は」って
笑っている感じがするのです。