あらすじ
霞ヶ浦のほとりのレンコン農家に生まれ、民俗学者となった若者が実家の農家を大変革。目玉は1本5000円と超破格の値段のレンコンだ。マーケティングと民俗学の知識を応用した戦略で、そのレンコンはニューヨーク、パリ、フランクフルトなどの高級和食屋で使われるだけでなく、注文を断るほどの「バカ売れ」に。「ブランド力最低の茨城県」から生まれた、日本農業の方向性を示す「逆張りの戦略ストーリー」。
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Posted by ブクログ
年の近い方の農業の本だったので手に取りました。
どちらかというと精神面の話がためになり、軽い語り口なので
「成功した近所のお兄ちゃんの話を聞いている」
という感じで読めます。
実家が農家なので、若い世代と色々苦労した結果頑なになっている親世代とのぶつかり合いが非常に伝わりやすかったです。
こういう世代間のズレ、どこにでもあると思う。
喧嘩しつつも動く事で少しずつ相手に納得してもらうって、精神力も実力も行動力もいる。
大変だからこそやるべき、やらなきゃいけないのだと思いました。
お互いにとって良い結果を出すために。
この成功は、お父様の品質の良いレンコンがあってこその話です。
物が良ければ売れるわけではないけれど、物が良くなければ売れない。
これからの農業は、物が良い上で、有能な商売人と手を組んで行くべきなのかなと。
農家の方は商売に弱い。
ここを強化したら、日本の農業はもっともっと強くなるはず。
Posted by ブクログ
ブランディングの話。なぜ、1本5,000円のレンコンが売れるようになったのか。先祖から続けていたレンコンを安く売る訳にはいかない、という信念がそうさせた、と著者自身も読者に参考にならない、と言う理由。著者は大学で民俗学を学び、社会学の博士号も取得しており、精神論だけではなく、学問にも結びつけ話を展開。面白く読めた。
6章には志ある農業者へのメッセージが。
生産性を向上させることは、自分の首を絞めることになる。技術の悪循環。
国が求める農業の方向性だけに着目していて良いとは思えない。
消費者のニーズにとらわれ過ぎない。
マーケットイン(消費者目線)に惑わされない。…レンコンを真空パックにしてほしいと言う要望はたくさんあるが、それはあえてしない。真空パックにすることによって小売りの負担は減るがそれは生産者が負っているものであり、また消費者が負っているのである。真空パックにすることにより、レンコン自体の寿命が伸び回転率が悪くなる。長い将来を見据えた決定。
分業化と闘う。
商品力にまさる営業力は無い。
既存の認証に頼らない。