あらすじ
東京・新宿でバーの経営や人気イベントを手がけ、経営者や漫画家として活躍していたモカさんは、鬱病を悪化させ、29歳の時、マンションの屋上から飛び降りた。奇跡的に生還後は、社会への「貢献」を意識し、600人以上の「生きづらさ」を抱える人に無償でお悩み相談をしている。デザイナー、プログラマー、元男性のトランスジェンダーでもある彼女の多才かつ献身的な活動を、取材する記者がまとめる。本人の描き下ろし漫画も。
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Posted by ブクログ
すらすら読んだ。内容は個人的には面白かった。
確かにライターの高野さんが中立性に欠けるので、痛そうな描写があるものの、自殺企図を美化しているように読めないか懸念もわく。
無償で死にたい人の相談に乗り続けるのは通常困難だと思うが、多くの人は「モカさんだから」という理由で相談する=ラポールができやすいのだと思うので、民間団体の相談事業とは違って、明確な助言や一回の相談でポジティブに向かわせる方法でもうまくいきやすいのかなと思った。
あと会話の中で「自殺を体験させる」ような手法は経験者にしかできないので、これには驚いた。一見危険に思えるが、相談者にはカタルシスになるのだろうか。ライターさんの批判的な考察も読みたい。
あとがきの、「取材者がまともだから重たいテーマを扱える」という話には共感できた。