あらすじ
驚愕の破滅人生!
著名な大金持ちが大転落、貧しく寂しい末期を迎える。
歴史に残らなかった12人の栄光と挫折に学ぶ、失敗学。
◎ テスラCEOも惚れた天才科学者
◎ フランス中央銀行総裁に成り上がったギャンブルの奇才
◎ 三菱、三井を超える巨大商社を率いた名参謀……
あれほどの成功をつかんだ男がなぜ――?
競争戦略にマネジメント論、マネー論など、
経営学と経済学の切り口から、
「残念な偉人」を徹底解剖。
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Posted by ブクログ
一度人生で成功をおさめた人が何故最後は転落したのか、12人の失敗事例を述べた教訓本。転落して当たり前だろうと言う人も一部にはいたが、ほとんどの人は悪意なく真面目に活動した仕方のない結果だと思う。
自分なりに感じたのは、以下二点。
1.どんな人でも人生山あり谷ありが必ずある。
2.油断禁物。成功して順風満帆な時ほど調子に乗らずリスク管理したければならない。
特に投資、投機は身近な事例なので、今回理解した失敗事例を自分でも起こさないよう、対応していきたい。
Posted by ブクログ
タイトルが気になって手に取った本。もともと大好物なジャンルの書籍ではあるが、日本に限らず世界的に成功した化学者やビジネスマンに対しても、その死に際から掘り起こして成功から失敗へ向かってジェットコースターのように生きていく姿を、リアルに描いている。
私がよく読むのは、昭和初期までの国内の成功や失敗談が多かった。が、この書籍については、1800年代1700年代にまで遡って、成功者の末路を描いている。中には全く知らない 海外の偉人の話もあり、非常に視野が広がった。
日経BP社が出版した書籍らしく、偉人の成功と失敗の原因を、話の終わりに失敗の要因と対策を、深掘りしていて仕事人にはなかなか面白い内容になっている。
書中には気になる偉人もいて、これからもっと読んでいきたい視野が広がった一冊だった。
Posted by ブクログ
まさに天才と呼べるような12人の人たちの生涯を描き、彼らがなぜ悲惨な最後を迎えたのかを解説する本です。小説とビジネス書が合わさったかのような本で、タメにもなります
Posted by ブクログ
人生とは、「その人が考えた、人としてこうありたいというもの」。
巨万の富を得たがそれをなくして自死を選ぶもの。実家のカネを使い果たして死ぬ者。
ゴーギャンの生き様も示唆に富む。有能な株式仲買人だったキャリアを捨て画家に転身。生きているうちは評価を得ることもなく寂しく死んでいった。
ここから何を学ぶべきか。あるいは何を学ばざるべきか。
タイトルは凡庸だが内容はしっかりしている。
Posted by ブクログ
主に経営・ビジネスの側面から、天才と謳われた人物が功乃至は財をなす過程と、その晩年になってからそのいずれをも失う事情を簡潔に描写する。著者の目的はその状況を活写するばかりでなく、各人物が没落に至るまでの過程を分析することによって、読者のこれからの人生の教訓として役立てて欲しいというものだ。洋の東西を問わず天才は数多く存在し、その全てが功を成し、没落するわけでもない。本書が取り上げているのは、外国人5名、日本人7名で、そのいずれもが功を成し、財を成した挙げ句に没落した天才たちだ。誰でも知っている人物もいれば、ほとんど知られていない人たちもいる。いずれも興味深い例で、分析も的確、それぞれ独立の物語としても楽しめる。著者によるあとがき、「12人の天才たちの物語は、決して過去に遺物ではない。これからも語り継がれるべき、貴重な物語なのだ。」という記述は十分に納得できる。
Posted by ブクログ
ニコラ・テスラ=交流の発明。エジソンは事業家だったがテスラは科学者。無線ではなく無線電力送信で失敗した。
ホレス・ウェルズ=麻酔の発見。特許を取ったために失敗した。特許を取ったうえで無償公開するべきだった。IPS細胞の例。サムソンとappleの特許争い。中国が躍進した理由でもある。
ジョン・アウグスト・サッター=農場から砂金が出たために没落した。1949年。フォーティーナイナーズの由来。砂金を独占しようとしたが、オープンにしてその周辺分野で利益を上げたほうがよかった。ピック&ショベル戦略。砂金をとるのではなく、つるはしとショベルを売る。現代では、多くのIT企業がオープン戦略を取っている。無料にして周辺で稼ぐ。インテルはオープン&クローズ戦略。PCは無料にしてCPUはクローズ。
金子直吉=鈴木商店の番頭。社員は思い通りにならない、と回顧している。オーナー家と銀行のガバナンスが効かなかった。銀行は台湾銀行のみ。
神戸製鋼、帝人、日照、日本製粉などの元の会社。
川崎造船所の松方コレクションは、フランスにあった分が残されて変換された。それをコルビジェの国立西洋美術館に収めた。
坪内寿夫=来島ドック。再建王。来島型標準船で、受注産業から転換して成功。その後10以上の造船所、東邦相互銀行、オリエンタルホテル、関西汽船など新愛媛(新聞社)などを再建した。
現状打破と少数精鋭。少数にすれば自然と精鋭になる。
イノベーターとリノベーター。佐世保重工業の再建は通じたが、円高でやられた。
山城屋和助=政商。山形有朋と組んだ。汚職の構造の民の弱さのために失敗。
ジョン・ロー=フランス。中央銀行を創設。バンクジェネラルを設立。最初は兌換紙幣を発行し、これで納税を可能にし、貿易にも使えるようにした。その後不兌換紙幣に変更して、デフレを乗り切った。赤字削減は、ミシシッピ会社の株式を売り出して、バブルを作り出しで解消した。発行した紙幣が実物経済に使われれば問題は起こらないが、資産に集中したためバブルが起きて、やがて弾けた。通貨の発行量をコントロールするためには、中央銀行の独立性が必要。バブルの恩恵は政府にあった。借金がなくなった。
岩本栄之助=大阪公会堂を寄付。相場で設けたがピストル自殺。
渡辺治右衛門=西日暮里4丁目、かつては渡辺町と呼ばれていた。代々富豪で63000坪を所有。目白御殿と呼ばれた。関東大震災と昭和2年の恐慌で渡辺銀行が破綻と失言されて、没落。
松本重太郎=西の渋沢栄一。百三十銀行が、同じ経営者の事業会社のベンチャー投資に資金を出して焦げ付いた例。
薩摩次郎八=パリ社交界の花形。ファミリーオフィスがあれば資産運用を外部に任せることもできた。
サマリア人のジレンマ=父親は、子供の放蕩を止められない。新約聖書の善きサマリア人、の逸話から。息子が悪用した。生活保護や失業手当などを充実させると働かなくなる人が多くなる可能性ある。