あらすじ
日本資本主義の父・渋沢栄一。幕末の農家に生まれた彼が、どのようにして慶喜に仕え、新政府で働き、さらには大事業家となったのか。明治の元勲との交流も描いた自伝の現代語訳、登場! グローバリゼーションが大きな曲がり角を迎えたいま、日本のみならず世界中で、経済や効率を中心としたもの考え方から脱却しようとする動きが見えてきている。実は日本には、現在の世界が考えていることを、明治時代に資本主義を導入するにあたって、考え、世に広めようとした人がいた。それが、渋沢栄一である。著書、『論語と算盤』で「道徳と経済は一つである」ことを説き、自身、470余りの会社の創設、経営に携わりながら、社会事業にも全力を尽くしてきた。そんな栄一の人生を、わかりやすい現代語で、一冊で読めるものとしたのが本書である。経営学の神様、P.ドラッカーも深い影響を受けた、栄一とはどんな人物だったのか。そしてどんな人生を送ってきたのか。尊王攘夷の志士から慶喜・幕府へ仕官、そして新政府から野に下り、勃興期の経済界を牽引した「日本資本主義の父」の波乱の生涯を読む。
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Posted by ブクログ
明治幕末。いつも注目されるのは坂本竜馬や志士たちの戦いですが、日本を発展させる為経済面からあらゆる手だてを打った澁澤栄一の生き方が眩しい。
500を超える会社の起業に携わり、日本で興した事業には ・銀行 ・保険 ・肥料 ・製紙 ・砂糖 ・証券取引所 などがあり、企業では ・帝国ホテル ・京阪電鉄 ・東洋紡 ・キリンビール ・東京ガス 等がある。
本書は大きく3部で構成されている。
①志士活動から幕府重役へ
②海外での視察活動
③明治後の事業家
澁澤栄一の自伝を抜粋して現代語訳されている。
明治政府樹立後の重鎮達とのやりとりも面白い。
Posted by ブクログ
渋沢栄一と言えば、日本実業界の父ということで、現代に残る多くの企業の設立に関わってきた人です。
そんな人の生き方に、現代の行き詰る企業へのヒントがあるのでは?と思って読みました。
…が、超行き当たりばったりの人生でビックリ!!
倒幕派のはずだったのにお金がなくて一橋に仕え、やる気なくなったところに水戸藩のご子息のお供でフランスに行く話が出て、その間に幕府は瓦解、色々考えながらも結果的には人に誘われて新政府に入る。
これが、「キャリアは偶然性を大事に」ってことか~
実業界に出てからのエピソードが薄めだったのがちょっと残念。
Posted by ブクログ
すごい人。もっと深く知りたくなった。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。
木戸孝允のこと
一人登用をしようとした人物がいた。その人物の評価を聞きに、当時特に役職も高くない渋沢の家を訪れた。
人を引き上げるということの重要性。
大久保利通のこと
何を考えているかさっぱりわからなかった。気味が悪くて、渋沢は嫌いだった。