あらすじ
親の名も知らない、石ころ同然の私が、国王の花嫁というまばゆい宝石に?
婚礼という喜ばしい日に、宮殿のメイドであるニーシャは、恐怖と涙で顔をぐしゃぐしゃにしていた。目の前にはずっと敬愛してきた、国王ズファールがいる。本来なら、国王の花嫁のお古を着る価値もない私に、姿を消した彼女の婚礼のドレスを着て、結婚式に出ろですって?命令には逆らえず、ニーシャはなんとか身代わり役を務めた。しかし夜になっても、ズファールは彼女をメイドに戻さなかった。そして、震えるニーシャを新婚初夜のベッドに呼び寄せ、有無を言わせず結婚を命じたように、世継ぎを産むよう命じた!
■T・パミー作、R-3404『授かったのは、王家の秘密』の関連作をお届けします。前作のヒロインが結婚式から逃げ出したために、雲の上の存在だった王の妻となったヒロイン。王家を舞台とした、作家競作の一大シンデレラストーリーです。次の関連作もお楽しみに!
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Posted by ブクログ
この物語りを一言で表すなら、まさに「シンデレラストーリー」です。
現に、最初に内容紹介だけを読んだときにも、「婚約者に挙式直前にドタキャンされた国王の命令で、花嫁の身代わりを務めることになったメイド」とヒロインについて語られていました。
ところが、どっこい。孤児院で育った召使いニーシャは、さる王国の姫君であり、王位継承権を持つ王族だと後半で判明。
契約結婚、もしくは間に合わせの結婚が「愛」によって本物の結婚になる、、、というのはよくある展開だけど、このラストのどんでん返しによって、ありきたりでないお話になっているところが凄いと思います。
また、実は王女だったニーシャが祖国に帰り、女王となるために離婚しなければならないと悟った国王が退位をしてまで妻を選んだ結末も素敵です。
歴史にも「王冠を賭けた恋」というのがありますが、まさに、それですね。
女中が実は王女様で、身代わりとして王妃となり、更にいつしか彼女を本気で愛した国王が王位より彼女を選んで退位した-まさに、究極の玉の輿物語りで、「シンデレラストーリー以上のシンデレラ-ストーリー」といえるのではないでしょうか。