あらすじ
死ぬことを考えずに生きる、そういう時代がもう目の前に来ています。――「はじめに」より
診断、手術、創薬、医療機器、救命救急、予防……あらゆる分野で医療は、革命前夜にある。
テクノロジーの進化によって、死の脅威をもたらす病気のほとんどすべてが、姿を消してしまう。
「不死時代」の到来――人間と死の関係は、大きく変わろうとしている!
人類にとって最大の脅威となっている「がん」、生活習慣病を引き起こす感染症、医療の完成を阻む病気のラスボスたち……
医療は病気をどこまで克服し始めているのか!?
日本発のiPS細胞技術、いま世界が注目する免疫チェックポイント阻害剤、ゲノム編集……
急激な進歩を見せる医療技術がもたらす「来るべき未来」の姿とは?
これから始まるAI診断、オンライン診療、手術支援ロボット、低侵襲医療、臓器代替、予防ビジネス……
ほとんどの医師がいらなくなる医療イノベーションと、これからの民間医療保険の存在意義。
最先端の予防、診断、治療、その全部を、わかりやすく解説!
健康と幸せの再定義をもたらす「不死時代」では、どんな生き方が必要なのか。
「不死時代」の恩恵を享受するためのゴールデンチケットがここにある!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「医療技術✕ロボティクス(Ai、サイボーグ工学、ニューロロボット工学など)」を広く横断的に、しかもそれらを利用する側(消費者・患者など)の視点でわかりやすく、一気に理解する方法を探してた。
これまではそれぞれのキーワードでアンテナ張っていた(ニュースを拾って未知の用語をその都度理解していく)が、この本がその目的を満たしてくれた。
著者はこの領域の池上彰さんのような存在だと思う。
先端分野に職を得ると、立場上、何かと公言しづらくなってしまうので、筆者にはぜひとも今の特異なポジションで情報発信を続けていただきたいと願う(Facebookグループで読者らと対話もしている!)。この本を池上さんの「知らないと恥をかく~~」シリーズのように数年ペースで出したら毎回読みたい。
「(病気による突然)死」がほとんどない長すぎる人生を孤立せず充実した時間にするためには、周囲の人たちから必要とされるよう「利他」を意識し続けること。それが「アクティライフ」という利己的な充実感になっていく、と結んでいるのにも共感する。
Posted by ブクログ
本書は、医療の進化により、病気は死ぬ原因ではなくなりつつあり、将来は、どのようにして有意義に生きるか?という点が重要になるだろうという、将来の展望を示している。
確かに、多くの疾病は、治療法が確立してきており、治らないかもしれないが、QOLを低下させずに生きながらえられるようになってきている。一方で、生活の質や高額な医療費などの観点が問題になってきている。
したがって、病気をただ直すことだけではなくて、生活の質をどのように維持していくか、また、不必要な医療費の支出をどのように抑えるか、または、死ぬ権利といったところまで踏み込んで問題提起をしている。