あらすじ
宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。
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Posted by ブクログ
【87冊目】韓国のキリスト教徒は、プロテスタントとカトリック合わせて全人口の29.2%もいるらしい。日本では1%前後だからかなり多いことが分かる。
韓国教会の主な特徴は、大型教会主義と個別教会主義、社会問題への関心の低さといったものが挙げられていた。なるほど。
昔から、なぜ統一教会が韓国発で、しかも日本やアメリカで問題になったのかよく分からなかったけど、この本読んでかなりクリアになった。
それから、同じ東北アジアにありながら、なぜ日本では浸透しているとは言い難いキリスト教が韓国に馴染んだのかも歴史的に整理されていて、大変読みやすかった。この点、詳述されていない問題として、祖先崇拝が韓国キリスト教では「追悼式」という形を取って立ち現われ、原宗教にとの親和性を保ったという指摘が興味深い。
また、日本にあてはめられそうな考察として、教会の分裂がカルト教団を育む温床となっているという点が挙げられる。国民的な宗教が確立されなかったことで、逆に、馴染深い既存の宗教の教義をつまみ食いした教団が乱立し、その中にあるカルトの存在を見えにくくしているのではないか。
いずれにせよ、大変勉強になりました。