あらすじ
論理的思考力を確実に強化するには、論理とは何か、思考とはどのような頭脳行為かを原理的に理解したうえで、核となるスキルをトレーニングしていくことが最も有効である。本書では必須となる3つのコアスキル「適切な言語化」「分ける・繋げる」「定量的な判断」について、習得のためのプログラムを具体的に、体系的に示してある。
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Posted by ブクログ
前著『思考・論理・分析』の内容が良く、再度読み直したいと考えていましたが、考え方がこの本によってアップデートされていると伺い手に取りました。
抽象度は高めですが、この本自体がストラクチャー構造で記述されているのは理解の助けとなりました。「ベン図で考える」などは今まで実践してきてはいませんでしたので、それだけでも新たな気づきが得られましたね。
より良いアウトプットで成果を出したいと考えた時に、論理的思考は身につけるべきスキルであると考えます。
目標は1000時間の実践であり、今年1年かけて、少しづつでも実践していきたいと思います。
Posted by ブクログ
【星:5,0】
個人的に名著だと思う。
論理的思考についての本は昨今では多く出版されているが、この本は他書とは少し違う。
よくあるのは、ロジックツリー、ミッシーなど具体的なスキルを解説したものだと思う。
一方、本書は「思考とは何か」「論理とは何か」「論理的とは何か」を突きつめ、「論理的思考」というものを明確に定義する。
そのうえで、論理的思考のコアスキルとして①適切な言語化スキル②分ける・繋げるスキル③定量的判断スキル④アセットとしての知識・経験、としたうえで、その高め方を解説している。
上記のように理論立てしたうえで解説してくれているので、掴みどころのない論理的思考というものをしっかりと理解出来た。
ただ、本書が説明するのは論理的思考の「具体的」スキルではなく、具体的スキルを下支えする「コア」スキルである。
したがって、ロジックツリーなどの具体的スキル自体を知りたい人には期待はずれかもしれない。
Posted by ブクログ
読むのは2回目。社会人なら読んでおきたい本。少し学術的なので、読む段階でベーシックな論理の概念や、日本語の正しい意味を知らないと、読んでも身につかない。意外と出来てない大人も多いと思う。
Posted by ブクログ
論理的思考とはどういうものか
どうすれば身につくのかを
骨身に染みた論理的思考で
言語化して書かれている
NewsPicksで初めてお名前を知ったが
この本を読んで一層ファンになってしまった
波頭亮さんはかっこいい大人だ
個人的には
ただ単に論理的思考が良いとは書かれておらず
「伝わるかどうか」に視点があるのも
他の本と一線を画している点だと思う。
Posted by ブクログ
論理的思考とは、どう言うことを指すのかを、分かりやすく端的に示してくれる。ただ、私の場合一回読んだだけでは、体に落ちきれないので、人に私が説明できるようになるまで、何度か読み返したい。
波頭亮さんをこの本で知ったが、登壇時の話し方を含め興味をそそられた。頭の回転が速く理解力の高い人に思える。羨ましい。。。
Posted by ブクログ
本書は、論理的思考力を実際に身につけるための一冊である。
■論理的思考
・思考とは、情報と知識を加工すること
・現実の問題の解決策を見つけるには ①知識、②情報か効力、③情報収集力 の3つの力を構成する
・論理展開の方法 ①演繹法、②帰納法
■3つのコアスキル
・第1 適切な言語化スキル ①言葉の選択、②十全な文、③文章・文脈の整理
10種の接続詞 順接、逆説、並列、対比、列挙、換言、例示、補足、理由、結論
・第2 事象を分けるスキルと、繋げるスキル
分け方 ディメンジョン(抽象水準:菜の花、花、植物等)の統一、適切なクライテリア(分類基準)の設定、MECE
繋げ方 コロケーション(意味の共通項、星、柔らかい等)、アナロジー(類似性、類推)
・第3 定量的な判断スキル
確率、統計
■コアスキル習得の具体的方法
・What to do 何かを練習するのか
①タテの因果、ヨコの因果の補則 タテ:なぜ5 ヨコ:複数の原因の羅列
②ベン図を用いた、集合関係の判断 包含関係
③ビラミッドストラクチャーのよる体系化 構造
④フェルミ推定による定量的感覚の訓練 近似、定量的推定
⑤正反の立論 肯定側と否定側の両方の論理構築の訓練 双方の論理構築を一人で行う
・how to do どう練習するのか
①手を使う ⇒紙に書いてみること
②経験と紐づける ⇒具体と抽象をいったりきたりする
③集中して考える
・練習の総時間 どれくらいやればいい
①1万時間 エキスパート
②1000時間 1つのスキルを回りから認めてもらえるレベル
③300時間 まず、最初の目標、ふと上昇するタイミング
■クリティカルシンキング
・脳のメカニズム
①システム1 知識と経験の集積によって働く、無意識的な直観的判断
②システム2 意識的に思考して結論を出す思考的判断
・クリティカル・シンキングとは 批判的思考 ⇒ よく吟味する
・論理チェックの3つのポイント
① 根拠は妥当か
② 論理は妥当か
③ 結論と現実との整合性
目次
まえがき
第1章 論理的思考とは
第2章 論理的思考のコアスキル
第3章 コアスキル習得の具体的方法
第4章 クリティカル・シンキング
参考文献
あとがき
ISBN:9784480072153
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:860円(本体)
発行年月日:2019年04月
Posted by ブクログ
自分はこの著者の弟子だったのかもしれないと思うくらい、普段やってることが書かれてて、これでよかったんだなと安心した。適切な言葉選び等、必要なのに周囲にうまく説明できない部分も明快に書かれていて参考にしたい。論理的思考には知識と経験が必要というのがまた納得。認知心理学、行動経済学分野の引用も知っている範囲のことで読みやすい。
足りてないのは統計、フェルミ推定、クリティカルシンキング、バイアスの意識。息をするように使いこなしたい。
Posted by ブクログ
論理とは何か、思考とは何かという大前提となる基礎から丁寧に解説し、適切なポイントでの図解も付された本書の実践的な内容からは、悩める学習者に向けた筆者の情熱をひしひしと感じた。2019年出版の比較的新しい本ではあるが、彼の経験にも裏打ちされた肉厚な本書の内容は、大変読み応えがあるものだった。
Posted by ブクログ
適切な言語化
分けるスキル、繋げるスキル
定量的な判断スキル
タテの因果、ヨコの因果
ベン図を用いた集合関係の判断
ピラミッドストラクチャーによる体系化
フェルミ推定
正反の立論
Posted by ブクログ
ガチガチの論理学に加え、脳科学や認知科学のエッセンスも含んだアップデートされた論理的思考の本。論理的思考を学びたい方はmust read。
【メモ】
・思考とは「情報と知識を加工すること」
・情報加工のミクロのプロセス
①分ける:考察対象を要素に分けること
②比べる:分けられた考察対象の情報要素を、それに対応する知識要素と比べること
③くくる:考察対象の情報要素と知識要素を比べて得られた「同じ」「違う」という判別結果を統合・整理して「同じ要素」でくくること
・論理の成立要件
①形式要件:命題が2つ以上あること
②意味的要件:2つの命題が推論、あるいは理由づけによって意味的に繋げられ得るものであること
・演繹法の適切な前提
①前提が意味内容的に既呈命題を包含していること
②前提の意味内容が普遍的妥当性を有していること
・2つの正しさ
①論理的正しさ:論理展開の形式に誤りがない
②客観的正しさ:結論が現実的に正しい
・論理的思考のコアスキル
①適切な言語化
②分ける・繋げる
③定量的な判断