【感想・ネタバレ】水は海に向かって流れる(3)のレビュー

あらすじ

「俺がいなければ、この人の肩が濡れることはなかったのに」

高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった直達。
だが最寄の駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性の榊さん。

案内された家の住人は26歳OLの榊さんと
なぜかマンガ家になっていたおじさんの他にも
女装の占い師、メガネの大学教授と
いずれも曲者揃いの様子。

ここに高校1年生の直達を加えた男女5人での
一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まったのだが、
直達と榊さんとの間には思いもよらぬ因縁が……。

久しぶりに始動した田島列島が自然体で描くのは
家族のもとを離れて始まる、家族の物語。


W不倫で家を出て以来帰らない榊さんの母親に会うため、直達は榊さんを連れて海辺の街を訪れた。彼女が新しい家族と幸せそうに暮らす姿を見て、対面を諦めそうになった二人だったが、直達が衝動的に踵を返し、榊さんと榊さんの母親は10年ぶりの再会を果たす。直達と榊さんは、いま、10年前のその先へと時間を進めるための短くて長い旅の途中にいる。長い間抑え込んでいた感情と向き合う二人が流れ着く先は──。

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前作『子供はわかってあげない』で鮮烈デビューを果たした田島列島、
待望の新作!
前作以上の盛り上がりと言いますか、巷での絶賛ぶりに
正直、若干あまのじゃくな気持ちを抱きつつ読みました。
読み終わった今、
あまのじゃくだった自分を殴りたい気持ちしかないです。
個性豊かな住人たちとのボロアパートでの暮らし、
というめちゃくちゃ王道なシチュエーションに
訳アリ臭プンプンな年上のお姉さんに淡い想いを抱く主人公、
そしてエキセントリックで可愛い女装キャラ…
ファンを惹きつけてやまない小ネタにも
さらに磨きがかかっています。
内緒にしていたことがうまく内緒にできていなかったり、
言わなきゃいけないことをいつまでも言えてなかったりする
ちょっと間抜けで可愛い人々が
これからどう変わっていくのでしょうか。
謎めいたタイトルも気になります!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物みな魅力的な人ばかりで居心地が良かった。
榊さんと直達君の複雑な関係を中心に書きながら感情の機微を丁寧に描いていて面白かった。
どこか魅力的な年上のお姉さんという点から読者を惹きつけ、複雑な関係が明らかになり、それを解きほぐしていくうちに2人が惹かれ合うというストーリー展開が綺麗にまとまっていた。終わり方も綺麗で最高。

あと泉谷ちゃん可哀想

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく良かった。母親との和解だけが終着点では無かったのだなあ、結果だけでなく過程やそこに至る意思や行動が大切。主人公が最初から最後まで魅力的で例の「カツアゲ」シーンに心臓鷲掴みされた。田島列島先生は物語構成力の才能が素晴らしい。終わり方めちゃくちゃ綺麗…

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よかった。
榊さんは、高校生の直達に甘えるわけにはいかないと思っていたのかもしれない。
未成年とどうこうなってはいけない、犯罪なんだけど、2人は心が繋がっているから、一緒にいるべきだと思う。
離れて一年も経ってしまったなんて驚き。

シンプルな絵と、巧妙な?ストーリー。
かなりツボです。

読んでよかった。

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2022年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最高の終わり方でした。人と人の心が通じ合う瞬間を見れた様で、とても心地の良い読書時間を過ごさせてもらいました。
思い悩んだ自分の気持ちの触れて欲しいけど、下手に触れては欲しくないところを、嘘偽りなく寸分の狂いも無く触れてくれた時に、言葉にできない感情が心の底から湧き出てくるのだと思います。
「みつけてくれてうれしい」とのモノローグに、本当に良かったなと、なんだか10代の頃を思い出し、自分の気持ちも救われたような気持ちになりました。
万人にオススメしたいマンガです。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『将棋の渡辺くん』の次号予告マンガジャックの回でたまたま紹介されていて、気になって手に取った。こういう偶然から、思わぬ作品・思わぬ作者に出逢えるから、読書はやめられない。

「運命」や「宿命」に身を委ねるのではなく、そして「普通の幸せ」ではなく「最高の人生」という、決して平坦ではない道を自ら選び取ろうと歩みだすラストが美しく、温かい。

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2021年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんて面倒くさい人間関係、なんて面倒くさいセリフの数々!
でも、人生ってそういうものだよなと思わされる。

枷のようなものとどう向き合うか、テーマになっているものは重いけれど、ところどころ挟まれる軽快なギャグと、さらりとした絵柄がその重さを軽減させてくれる。
先が気になってすいすい読んでしまった。

主人公の思いが通じるハッピーエンドで、爽やかな読後感に包まれてよかった。
しかし直達くん、いずれお母様にどうやって榊さんを紹介するんだ!とか考えると複雑な気持ちになりはするけど…

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2022年12月24日

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