【感想・ネタバレ】地雷を踏んだらサヨウナラのレビュー

あらすじ

「アンコールワットを撮りたい、できればクメール・ルージュと一緒に。地雷の位置もわからず、行き当たりドッカンで、最短距離を狙っています……」フリーの報道写真家として2年間、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアの激動地帯を駆け抜け、26歳で倒れた青年の、鮮やかな人生の軌跡と熱い魂の記録。映画化もされた感動作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

エッセイというのか分からないけれど。

ひょうひょうとしているのに、楽しそうなのに、どこか読んでいて悲しい。
親御さんの気持ちが分かるからだろうか。当人の押さえきれない夢を感じるからだろうか。

その後のカンボジアを思うと、何を目指して戦っていたのか、とまた悲しくなる。
ポル・ポトを考えると、先生は…やっぱり。
皆どこへ行っちゃったんだろう。
今の世界を見せたい気がした。そうしたら、きっと伸びやかに世界の中へ駆けだしていくのだろう。その無邪気さを見たい気がした。

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2014年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日記と書簡中心で、いろんな人に同じエピソードを書いておりダブりがあるものの、文章が軽妙かつ臨場感があるのであまり気にならず。母親からの書簡は泣かせますね。結局、ロンノル政権軍とクメールルージュの最前線であるシェムレアプから、クメールルージュ支配下のアンコールワットに入ろうとして、処刑されてしまったら...しいのだけれど、もちろんそれは後日談。書簡はあっさり途絶えています。常に覚悟はしているんでしょうが。。アンコールワットに行く前に読んでおけばよかった。

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2013年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

だいぶ昔に読んだ本。
これがアンコール・ワットへの旅のきっかけ、原点。

今回旅立つ際に再読したので、登録。

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2012年02月29日

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ネタバレ

1970年代初め、カンボジア内戦下、アンコールワットの撮影を夢見るも果たせず倒れた
若き報道写真家、一ノ瀬泰造の手記および書簡と写真集。

飄々とした文体を通して浮かび上がる「生」と「情熱」。
お母さまとの往復書簡も印象的。

カンボジア、アンコールワットへの旅行にあたり、彼の地にちなんだ書籍として購入するも、
長らく積んだままだった本をようやく読んだ。

著者が戦渦のうちに亡くなったという事実を知っていたため
死というバッドエンドであることは明白なので読むのに覚悟を要した。

タイトルが「地雷を踏んだらサヨウナラ」である。
「地雷を踏む」という死を意味する語に、カタカナの「サヨウナラ」、
が555のリズムで実に軽やかに続く。
この軽妙さが彼の文章に常に流れる。
前線で自らの命が脅かされ(時には被弾さえする)非常に危険な状況や、
悲惨、悲痛な事象であっても淡々飄々と描写される。
「ボクは詩情も涙も無いウォー・フォトグラファー」
そう自身でも書いている。
親しくしていたジャーナリストの知人の死、自身の被弾および負傷、
ついさきほどまで一緒に戦争ごっこで遊んでいた現地のこどもが目の前で爆死した情景、
それらが、さもなんということもないように書かれる。
「戦争ごっこをしている子供たちに、仲間に入れて貰い」本気で彼らと遊んだ直後、
「一発のロケット弾が、一瞬のうちに幼い三人の命を本当に奪ってしまった。
人びとが集まってきた。私は夕焼けの中を帰ってくる兵隊たちとすれちがいながら、
旧高校の方へ歩いて行った。愛用のハーモニカを吹きながら。」

ジャーナリストとしての姿勢なのか、感情を交えないドライな文章から、
かえって彼の抑えた気持ちやあたたかい人柄が浮かび上がってくる。

収録されている写真を見る。
多くは彼が生業とする戦場写真であるが、子供を含む村人や、
休憩中の戦士たちの写真がわたしの目を引いた。
「人物写真」にはシャッターを押された瞬間の2つの気持ちが閉じ込められている。
ひとつは写っている人が撮る人を見つめるまなざし、
もうひとつは撮る人が写っている人を見つめるまなざし。
戦場以外の写真において、一ノ瀬泰造の写真はどちらのまなざしも実に実にあたたかくやさしい。
彼のハードボイルド調の文章や行動は、彼が自身の人間性やソフトさナイーブさを
包み閉じ込め、俺は大丈夫、死なない、生きる、成功する、と
自らに言い聞かせ武装する甲冑だったのではないか、と感じた。

なぜ戦いの前線に行くという危険を取るのか。ジャーナリストとしての野望なのか
使命なのか、またはアドレナリンがなせる行動なのか、わたしの理解は及ばない。
が、ひとつ、読後に感じたことは、非業の死を遂げてしまったけれども、
明確な夢と目的に向かってただただ突き進み続けた彼の人生は、
ある意味幸せだったのではないか、ということだ。

母との書簡について。
母として、首に縄をつけてでも、息子の戦場行きを止めたい気持ちであろうということは想像に難くないが、彼女は心配こそすれ「やめて」「帰ってきなさい」とは決して書かない。
ただひたすらに息子の無事と成功を祈り続けるのみだ。
彼女の気持ちを思うと胸が張り裂けんばかりだが、
息子を個として認め、その意志をあくまで尊重する姿勢(なかなかできることではない)に心を打たれた。

かなえる術はないが、できることなら
「あなたの文章をしっかと読み、写真を見ました」
「今、カンボジアとアンコールワットは平和です」
と彼に伝えたい。

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2022年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1970年代、内戦状態の続くカンボジアに向かったフリーの報道カメラマン・一ノ瀬泰造。クメールルージュと一緒にアンコールワットをカメラに収めたいと単独潜行。「上手く取れたら東京にもって帰ります。地雷を踏んだらサヨウナラ」。結局そのまま帰ることはなく、1982年に死亡が確認されたとのこと。肉薄する死と生との境界、なぜ彼は自らの危険を顧みずシャッターを切り続けたのでしょう。克明に記された記録から彼の足跡を、考えを体感。平和すぎる時代だからこそ読んでおきたい作品でした。

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2012年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

想像以上に生々しい。
この日記や手紙の内容が、本当にこれを書いている時に 一ノ瀬泰造のまわりでリアルタイムに起こってた事。そ れがショック。
一ノ瀬泰造って人が大体どんな人で、この本が大体どんな内容なのか?
何となく入ってきてた情報で自分の中でイメー ジしてたけど、
それがキレイごとだったんだ な、、、と思った。
人って思ってるより強い し、でもあっけなく死んでしまう。
ベトナム 戦争がどんなものだったのか?カンボジアの内戦がどんなものだったのか?
調べてはみるけど・・・よくわからない。
何のために、誰と誰が戦ってたんだろうなぁ。

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2012年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

若くして亡くなった戦場カメラマンの写真・書簡集。書簡に見える一ノ瀬泰造は、冗談も言えば女も買う、普通の若い男。写真の上手・下手はわからないけれど、彼の写真が訴えてくるものはわかった。写真の中の人々・風景。感じ取るのではなく、感じる。

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2011年02月12日

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