【感想・ネタバレ】未成年・桃 阿部昭短篇選のレビュー

あらすじ

敗戦で失職した元海軍大佐の父。時代に背を向け不器用に生きた父と家族の「戦後」を、激情を内に秘めた簡潔な表現で描いた「未成年」(「父と子の連作」の一)。幼年期の記憶のヴェールに揺曳する一情景を、繊細な筆致で甦らせる「桃」。阿部文学の通奏低音である湘南の大自然と朽ちていく人の家を対比、早過ぎた晩年の心境を刻む「水にうつる雲」。澄明な文体と深いユーモアで人生の真実を描いた、短篇の名手の名篇10篇を精選。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前半の話がとくに好きだった。
いわゆる私小説系にジャンルされる話だと思うが、主人公が小説家の小説ってすごいなとふと思った。ある種、身分を露わにすることで自分の身の回りに起こることだけで勝負している気がする。それでいて彼の眼に映る景色がちゃんと面白く見える。すごい。

おふくろがかなり好き。若い男が未成熟なまま女と関わりを持つ話は好きかもしれない。話としてはちがうところが多いけれど、安岡章太郎の「ガラスの靴」を感じる。そして母との話でまた新たなものを見た気がした。好き。

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2021年10月25日

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