あらすじ
唯一の家族だった母を亡くした明日香は、遺品の中から一通の出されなかった手紙を見つける。宛名は「林鋭生様」。それが将棋の真剣師の名だと知り、明日香は林を捜すことに。ある対局の後、忽然と姿を消したという男と、母との関係は。昭和を生きた男女の切なさと強さを描いた傑作長編。
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Posted by ブクログ
面白かった!
個人的には前作より好き。順番に読んだ方が被る登場人物がいるので楽しめると思われる。
棋士というと堅苦しい品行方正なイメージがある。ひふみんが人気が出たのはそんなイメージからズレたお茶目さといい加減さがウケたのではないか。私も好きだ笑
この小説も棋士のイメージとかけ離れた、しかも、ひふみん路線ではなくアウトロー路線のきな臭い世界だった。
キャラクターがなんとも言えず良かった。出てくる人、みんな味がある。人間臭いところが良い。
関西弁のやりとりも最高だ。テンポ良くツッコミ合う感じが面白い。
謎多き伝説の真剣士を探す旅に出るのはアラフォー女(多分結構美人)とリーゼントのチンピラアサラー男。普通の会社員の女がどこから見てもちょっとやばい年下の男にだんだん慣れて、むしろ親しみを感じていくサマが良い。そして、安っぽい恋愛関係にならずに終わったのも良い。
ただ、この小説は恋愛小説です。
1割だけ恋愛要素があり、その1割だけで恋愛小説と言いたくなるほどの読者の心をキュンキュンさせる。
あらすじには恋愛小説と書いていないのでネタバレ設定しておきます(๑˃̵ᴗ˂̵)