あらすじ
空港も鉄道もない、ラオスの奥地の辺鄙な村。そこに佇む瀟洒なホテルのような施設に、世界中から選ばれた者たちが訪れる。コクーン・ルームで記憶の奥深くにアクセスし、その人に最も必要なものを見せてくれる<トリートメント>という施術を受けるために。心に深く傷を負った私は、レモネードという名前を与えられ、客室係の仕事をはじめるが……。表題作「うつくしい繭」をはじめ、愉悦に満ちた文章が、あなたを魂の旅に誘う。
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Posted by ブクログ
短編。
復興途中の東ティモールで死者の声が聞こえる少女が止める声を振り切って選んだ決断。
恋人と親友に裏ぎられ、ラオスの山奥で非日常な体験をして
親友との幼い頃からのつながりを知ったレモネード。
病気の兄のための新薬を探すために南インドに来た中瀬と再会した友人。
不思議な貝を食べたことによって自分の魂のこもった石を手に入れた南西諸島での出来事。
最後の話が特に面白かったなあ。
天真爛漫な友達と、孤独な私。
「君は、わりと孤独なんだな?」
そりゃあ自由奔放な女の子のほうが惹かれるに決まってるけれど、
はっきりと孤独なんだなと言われると傷つくなあ。笑。
これは書かれてないけど、それすらも笑い飛ばせるようになれるくらいの未来の時間の経過と主人公の成長もなぜか感じた。