あらすじ
16世紀初頭、アンデス全域を支配するに至ったインカ帝国は、カトリック王国スペインの領袖ピサロにより征服され、その繁栄はわずか1世紀余りで幕を閉じた。帝国の衝突がもたらした植民地社会に生きるスペイン人、インカの末裔、さまざまな混血集団、イベリア半島を追放されたユダヤ人たち。共生と混交、服従と抵抗の果てにスペインとの訣別へと向かうアンデスの300年を描き出す。
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Posted by ブクログ
スペインにより歴史化されたインカの正統に乗ったインカ貴族、正統から外れたがゆえにスペイン支配からの解脱を巡って再歴史化したコンドルカンキらをはじめとする英雄たち、スペインへの憎悪を反乱の形で噴出させたインディオたち。スペイン本土からアンデスに渡った支配階級コレヒドール、アンデス生まれの白人クリオーリョ。奴隷貿易でもたらされた黒人たち。西欧での迫害を逃れてきた商業者であるユダヤ人や改教ユダヤ人コンベルソ。混血のメスティソ、ムラート、サンボ。
様々な出自の人々が混在し排除し合い交錯して紡いできた歴史が、具体的な人物を通じて生き生きと表現されていた。
Posted by ブクログ
スペイン帝国の歴史については少し学んだ気がするが、スペインが支配したインカ帝国についてあまり詳しく学んでいないので、この本を読みました。
興亡の世界史全21巻は講談社学術文庫で出版されているのだが、講談社学術文庫の中国の歴史全12巻がとても面白かったので、数年前にキノッピイで全巻揃えてしまった。デジタル本の辛いところは、なかなか最後まで読破するのがアナログ本に比べて困難な事である。この本も数年前にデジタルで途中まで読んだまま放置していた。たぶんアナログ本にしておけばもっと早く読み切ることができたのにと少し後悔しています。
でも、この本は素晴らしかった。なぜピサロがあれほど酷い虐殺ができたのか?インカ帝国はその後どんな道筋を辿って消滅したのか。インカ族はその後どうなったのかなど知らなかったことがたくさん知ることができた。それと15世紀から19世紀までのスペインの歴史を学ぶことは現代を理解する上でとても有意義だと思います。
でもやっぱりこういう学術文庫なんていう類の本は「紙」の本はいいと思います。まだこのシリーズの読みかけデジタル本が6冊ありますが、これも読破しようと思います。
Posted by ブクログ
普通は因果滅亡で悲惨な歴史、で終わるのがその後もインカ貴族がスペイン支配下で特権階級として残り、時に要求を突きつけ、ときに戦い、ときに原住民を、弾圧しといろいろあったのがわかるのはなかなか面白い。