あらすじ
「植物状態患者」は自分自身や周囲の環境を認識できず、他者と関係することが不可能だと定義されている。しかし実際に彼らと接する看護師や医師の多くは、この定義では理解できない「患者の力」を目の当たりにする。自然科学は彼らを「意識障害」としか診断できない。そこで著者は現象学という哲学を使って、その〈何か〉を探究し始める。
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Posted by ブクログ
A さんの体験は、スーさんとのコミュニケーションなのか、Aさんの知覚体験、それともただの思い込みなのか?
Aさん自身の現象学的研究であって、スーさんの現象学的表出ではないのか?
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フィールドワークの推薦本である。博士論文をもとにした本であるから、看護についてのフィールドワークの博士論文を書くときには参考になるであろう。教員養成系大学生にとっては特別支援教育についての論文執筆に役立つのかもしれない。
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植物状態、いわゆる遷延性意識障害患者に対してのケアは科学的に証明しにくい。それを著者は現場で一緒に働きながら、そこで働いている看護師との対話実践を分析することで、従来の科学的方法ではない真実を生み出す。そのための理論的背景として、現象学を用いるが、その中でもメルロ・ポンティの理論を用いて説明する。看護実践を理論化する場合、ベナーをはじめとして現象学を理論的基盤として持つことを初めて知ったが、本書はそれに対してに批判的考察もあり、深みのある書と思った。
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患者が何らかの反応を出してくれる時は、スタッフが「下心なしで」「邪念なく」付き合った時ではないか p185
普段下心まるだしだよな、と反省。基本から見直さねば。
Posted by ブクログ
むずいーーっ!!
ぜんぜん頭に入ってこん
けど、星野源の「蘇る変態」では、くも膜下出血術後の、ICUで寝たまま体を固定されて24時間神経過敏に耐え続けていたと言っていて衝撃を受けたけど、それは状態が良くなって仕事ができるようになったからエッセイでみんなも知ることができた事実だけど、表出できない人はそんな状態だったとしても訴えることができないんだ
一見分からないから意識障害、植物状態と言われて感情や感覚を読み取ってもらえないけど、常に痛みや違和感を感じ続けてるかもしれないんだ
住田さんの話は…聞けてよかったな
そうそう、語りかける身体って最初見てなんとなく違和感感じてたのが、語りかける身体ってことは、患者さん側からの語りかけってこと?
それにしても患者さん側から流暢にエピソードを語ることは難しくてケアする側のエピソードのみになるから、それだと語りかけるのはやっぱりケアする側しかないと思うけどなあ
一方的な働きかけだけじゃないんだ
ケアする側も、働きかけた時の反応を感じるのは身体なんだ
身体と身体が一体化するんだ
なるほど
「ムラちゃんが分かってきたんじゃなくて、私たちが彼女を分かってきた」
これって、意識障害のない言葉を操れる者同士でも同じことじゃない?私はこうやってあ、この人分かんない人だ…って初めに自分から閉じがち
鷲田清一「いつも経験のなかにとどまり、それをいわば内側から切開してゆく」
仕事でそれがやりたい…
看護師になりたいのかなあ…今さら…