【感想・ネタバレ】「右翼」の戦後史のレビュー

あらすじ

戦前右翼、反米から親米への転換、政治や暴力組織との融合、新右翼、宗教右派、そしてネット右翼・・・。戦後右翼の変遷をたどる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでよかった、の一言。

右翼というと、自分のなかでヘイトスピーチをしてる差別主義者なのか?という印象が特に、在特会の影響であった。
だけど、日本らしさ、日本の伝統を愛する民族主義が右翼の源流であり軸なのだとすると、賛同はできないが考え方の一つとして理解できる。
その中で、右翼のなかでも民族主義的な人は、民族差別を認めるわけではなく、日本として独立して強くあることを考えているのだとすると、それも一理あると思う。

でも、結局日本らしさってなんだろうって考えたときにそれって言語化できるものなのだろうか?教科書を変えて加害の歴史をないものにしようとしてる人もいるけど、「愛国」なのだとすると、愛はいいところも悪いところも認めることじゃないのか?加害の歴史を隠したり、誰かを貶めたり、自由を奪うことは理想的なのだろうか?それは、愛することができる国なのだろうか?
現代の愛国者が望む、理想の世の中が気になってしまう。
リベラルは理想的、右翼は保守的というけれど日本においては戦前の日本を望む時点でそっちの方がかなり理想主義的なのではないか?

多様性を認めることってなんだろうか。グローバル化してアメリカなどに留学して海外の考えを自分の中にいれることだろうか、私は、自分らしさありきで多様性を認めることができると思う。
そこには、個人主義と集団主義の問題もまた出てくるけど、集団としてまだ国を捉えてもいいとするならば、日本らしさを認めて、かつ他国を認めるのもまたいいのではないだろうか?

文化の本質主義構造主義も学んだばかりなので意味不明なこと言っているかもしれないが、政治にも絡むこれらの思想についての知識はこれからも得続けたい

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2021年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後、右翼がどのように生き抜いてきたのか、筆者の丹念な取材によって明かされている。
右翼という存在は画一的なものではない。国体護持を信念とする者、反共のためにはアメリカとも手を取り合う者、ヤクザのような街宣右翼、所謂ネット右翼と呼ばれる者など。
僕は筆者の著書を初めて読んだ。僕がハッとさせられたのは、日本会議に関する内容についてだ。
最近、日本会議という言葉は聞いたことがあったが、詳しくは知らなかった。今回、本書を読んで驚いた。
日本会議のやり方がとてもサラリーマン的だからだ。筆者は「背広を着た右翼」と本文中では表している。
街宣右翼のように、街中で演説はしない。コツコツと、ゆっくり、着実に自分たちの信念を社会に浸透させていっている。
筆者は右翼とは、権力と社会の不平等に対峙すべき存在であるべきだと述べている。
権力に寄り添い、権力の拡声器だけの存在となってはいけない。
確かにな、と僕は思う。

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2019年02月09日

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