あらすじ
☆☆【2020年秋】NHK総合よるドラにて、TVドラマ化!☆☆
謎を解けば、あなたは生き返る
――どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!
☆☆☆
あなたの人生、
やり直せます。
恋もあの子も殺させない!
心温まる「生き返り」ミステリー
大人気「死者蘇生」シリーズ第5弾!
☆☆☆
空から彼女が落ちてくる。受け止めようとして――俺は死んだ。
イケメンで名を馳せる大地は、イジメを受ける少女・神里に初めての恋をし、振られた。
しかし彼はくじけない。
イジメの原因を調べるうちに、学校の屋上から神里が落ちてきて――。
俺の死はともかく、彼女の死は絶対に許せない!
覚悟を決めた大地は蘇りをかけて、閻魔大王の娘・沙羅と霊界の推理ゲームに挑む!
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Posted by ブクログ
早いもので、『閻魔堂沙羅の推理奇譚』シリーズも第5作。裏表紙のあらすじをぱっと見て、ちょっとしんどそうだなあと思ったが、このシリーズの一ファンとしては、引き返すわけにはいかない。きっとうまく処理してくれるのだろう…。
1人目、23歳の元バドミントン選手・夏帆。天賦の才能に恵まれ、国内では敵なしだったが、実は大の練習嫌い。ロンドン五輪ではメダルに届かず。リオ五輪前の怪我で現役を引退し、現在は所属会社に勤務しつつ、小学生相手にコーチをしていた。
同じく選手だった父の葬儀で、才能だけで生きてきた夏帆に投げつけられる言葉。苦い気持ちになってくるが、その後の展開は…犯人があまりにも浅はかとしか言いようがない。しかし、そんなヒントをよく解読できたものだ。以心伝心なのか。
2人目、17歳のイケメン高校生・大地。夏帆が才能で生きてきたなら、彼はルックスで生きてきた。何度も振ってきた彼が、いじめられている女子に恋をし、振られた…。本気の恋となると、なかなか一途ではないか。真相は、若者らしいというか何というか。ちょっとしたボタンの掛け違えだった。「彼女」にも立ち直ってほしい。
3人目、39歳の会社社長・昇。ん?この死因は…。シリーズ史上最も悪い人間だと断言しよう。当然、閻魔堂沙羅が容赦するはずもないが、こんな男にもチャンスをくれるという。しかし、制限時間は通常の10分ではなく、わずか3分!
詳細は伏せるが、色々とシリーズとして変則的な要素を含む。頭の中にある情報だけで、ちゃんと導き出せるというが、うーむ、これはありなのか? まあ、チャンスを与えただけでも最大限の譲歩だよねえ。自業自得かつ因果応報である。
それにしても、毎回読み終えると思うのだが、様々な人間模様をよく思いつくものである。今回は、人間模様のバリエーションに加えて、基本フォーマットを崩すという試みもあり、ますます楽しみなシリーズになってきた。
このシリーズの長編も読んでみたい気がする。また、木本哉多さんが、閻魔堂沙羅シリーズ以外の作品を書くことがあるのかも、興味深い。