【感想・ネタバレ】閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲームのレビュー

あらすじ

☆☆【2020年秋】NHK総合よるドラにて、TVドラマ化!☆☆

謎を解けば、あなたは生き返る
――どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!

☆☆☆

この閻魔さまは
やさしい。

「犯人が分かったら、生き返らせてあげます」
たった一人の家族のために挑む、霊界の推理ゲーム!
「5万円が当たる!」企画、解答編&当選者大発表!

☆☆☆

中学生の由芽は気づいたら死んでいた。
閻魔大王の娘・沙羅は私を殺した犯人を当てれば生き返らせると言う。
そういえば、最近変なことが続いていた。
担任の不倫写真が撮られたり、ダメ親父の描いた絵が高値で売れたり、なによりナイフで脅されて一度解放されてから撲殺されたり――。
鍵は、不可解な状況を繋ぐ点と線。
由芽はたった一人の家族のため、霊界の推理ゲームに挑む!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 シリーズ第4作。今回は、沙羅と推理勝負を挑むのは2人と少ないが、各編100p程度とやや長め。このうち第1話は、問題編がWEB上で先行公開されていた。

 その推理企画のことは承知していたが、面倒臭がりの自分は参加しなかった。問題文がもっと短いと思っていたので、こんなに長かったとは。作中の女子中学生と同じく、見事に2問とも的中させた読者は、21人いたそうである。

 1人目、女子中学生13歳。父は自称画家、母は出て行った。かつかつの生活だが、悪に染まることなく、慎ましく生きていた。そんな彼女が、なぜ撲殺されなければならない…。悪知恵が働く友人と、学校内の人間関係。すべては繋がっていた。そして、彼女自身もまた、原因を作っていたことに思い至る。

 副題に「点と線の推理ゲーム」とあるように、無関係なエピソードはないわけである。すべては1本の線で繋がっていた。彼女に悪意はなかったとはいえ、今回に関しては犯人にも同情の余地があるかな。まだ若い。未来に幸あれ。

 2人目、元ヤクザ41歳。事情により組を抜け、今はカタギとしてうどん店を経営していた。そこにかつての弟分が訪ねてきて、組の苦境を訴える。家族のためにも復帰は考えていないが、あるニュースが、否応なしに彼を巻き込むことなる…。

 本来、ヤクザなら即刻地獄行きだと沙羅は言う。正論すぎて返す言葉がない。ヤクザである以上、誰かを泣かせているのだから。それでも家族のため、推理に挑む。元ヤクザだからこそ、解けたと言えるだろう。ヤクザの思考回路、関係者の性格や嗜好、そして鍵になったのは…。これですっぱり縁が切れるといいが。

 人間模様の興味深さは相変わらずだが、今回は点と点を線で結んでいく過程に注目したい。前回までは心理や感情を読むことを重視していたように思うが、どういう損得勘定を働かせるかに着目すると、線が見えてくる。カタギもヤクザも、損得勘定で動くのに何ら変わりはない。

 2編の間に挟まれた「閻魔堂沙羅の日常」は、ファンサービス的な掌編だが、スピンオフが書けそう。読者にとって幸いなことに、沙羅が切り盛りしないとこの世界は回らなそうである。

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2019年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三篇併録されている。
一篇は、本シリーズの中心人物の、沙羅の日常と家族について。そして、過去の作品の登場人物のその後が僅かだが記載されている。
本シリーズを読むのはこれが初めてだが、特に刊行順に読む必要はないかなと感じる。
上記の通り、登場人物のその後に至った経緯が気になるのであれば、遡って読む必要があるだろう。
さて、副題にある通り、点在する事象を結んでいけば、解答に辿りつきます。叙述トリック、専門的な物理トリックなどは一切ありません。推理小説・ドラマ・アニメを普段、読む・見られない方でも楽しめる作品だと感じます。

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2019年01月01日

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