あらすじ
☆☆【2020年秋】NHK総合よるドラにて、TVドラマ化!☆☆
謎を解けば、あなたは生き返る
――どこからでも読める珠玉のミステリシリーズ!
☆☆☆
霊界の裁判官・閻魔沙羅VS.現世に未練を抱く死者たち
賭け金は己の『命』。明日から少し前向きになれる推理ゲーム!
「閻魔堂へようこそ」。閻魔大王の娘・沙羅を名乗る美少女は浦田に語りかける。元甲子園投手の彼は、別荘内で何者かにボトルシップで撲殺され、現場は密室化、犯人はいまだ不明だという。容疑者はかつて甲子園で共に戦ったが、今はうだつのあがらない負け犬たち。誰が俺を殺した? 犯人を指摘できなければ地獄行き!? 浦田は現世への蘇りを賭けた霊界の推理ゲームへ挑む!
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Posted by ブクログ
全部で3篇併録されている。
内容としては、中編小説と云ったところだろうか。
今回は、沙羅自身から推理を解くためのヒントが提示される。ただし、提示された理由は結末を見れば分かるだろう。
運命は、そう簡単には切り返しできない。善行を働けば、悪事を働けば、それに応じた返しがくると感じる。
Posted by ブクログ
『閻魔堂沙羅の推理奇譚』の続編である。前作に登場した4人は、概ね善人であり、こんな死は気の毒だと感じるだろう。「負け犬たちの密室」というサブタイトルがついた本作は、3人とも人間的に問題ありというのが対照的だ。
世の中に完璧な人間などいなければ、誰からも恨まれない人間もいないだろう。3人とも頭は切れて、仕事はできる。人を見る目はそれなりにあると、自身は考えていた点でも共通している。ところが…。
1人目、43歳の叩き上げ刑事。彼曰く、刑事には「毒」が必要。手荒な捜査法も厭わず、家族には逃げられた。当然、多くの逆恨みも買うだろうが…。彼を殺した犯人そのものは、薄々予想できるが、事件の構図には呆れてしまった。あまりにも浅慮すぎる。本作中、この刑事だけは同情の余地があるだろう。
2人目、30歳のゆすり屋。初めての犯罪者である。即刻地獄行きのはずが、沙羅は彼にもチャンスを与える。しかし、見た目は美少女でも、彼女は閻魔大王の娘なのだ。因果応報にして、自業自得。犯罪者としても大成できなかった男の悲哀。このシリーズの中でも、ビターな1編。その刑には、ちょっとだけ同情する。
3人目。34歳の会社社長。元プロ野球選手だった彼は、現役引退後はジム経営で成功を収めていた。勉強と努力を重ねて、ここまで来た自負がある。そんな結果にコミットする男が、かつてのチームメイトに向ける目は、冷ややかだ。
とはいえ、彼は仕事に厳しいだけで犯罪者ではない。富裕層と呼ばれる人たちは、このようにして地位を築いたのだろう。自分には真似できない、ストイックな生き方だ。しかし、人の上に立つことにより、見えなくなるものもあるのか。
3人中文句なしに「負け犬」なのは、ゆすり屋だろう。刑事は家庭生活でしくじったという点では「負け犬」か。社長は野球で「負け犬」になったことをばねにして生きてきた点で、他の2人とは異なる。彼なら再起できるに違いない。
それぞれの人間たちの生き様が訴えかけると同時に、推理の楽しみが味わえるこのシリーズには、さらなる続編を期待したい。次は、全員が犯罪者というパターンを読んでみたい気がする。
Posted by ブクログ
と2はドラマで観たものだった。3の殺人者を隠す仲間たち。それ本当に仲間かな。ただの喧嘩でかばうのはいいとして、殺人でしょ?その場では逮捕されなくて良かった、て思うかもしれないけど、人一人殺したことには変わりはないのよ。被害者の身内の人が悲しんでいるのを見て、そのままでまいられるの?ずっとそのことを背負って生きて、何も無かったことには出来ないのに。ときを戻して救われたのは浦田だけじゃなく、犯人と仲間達もだよ。
Posted by ブクログ
2021/9/16
いままでずっとよみがえったらうまくいく人ばっかりだったので驚いた。
なかなかに後味悪くて慄いた。
このシリーズの私の楽しみは生き返った後どうなるかなんだなと思った。
謎解き苦手なのでね。