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Posted by ブクログ
まゆ子は 親戚のおばさんのナオコ先生のいる`ひるま美容院`に住まわせてもらっている。美容院はすずらん商店街にあり、常連さんのおばあちゃんたちがやってくる、昭和ににおいが残る小さなお店。まゆ子は学校に行かずに、ナオコ先生の手伝いをする。
幼なじみの事故を目撃して、声が出なくなったまゆ子。言葉は重く、のどにからみつく・・・。
ひるま美容院には、ナオコ先生と、時々バイトとしてやってくる、若くてきれいなサワちゃんがいる。看板ネコのジンジャー。商店街の古本屋のダジャレおじさん。コロッケをおまけしてくれる肉屋のおばちゃん。常連さんたち。
そして、サワちゃんの弟で、ちょっと口は悪いけど、気はいい颯太。
みんなに囲まれて、まゆ子は言葉を取り戻してゆく。
読み進むうちに、秘密があかされる。事故をみつめなおしてゆく話し運びがいい。
講談社児童文学新人賞受賞作。
帯より、「シャンプーのやわらかな指先に、心を閉ざしたまゆ子の心がふっくらとやさしくほどかれていく」
Posted by ブクログ
声が出なくなってしまう少女といえば「ハッピーバースデー」が思い浮かぶけど、それよりも柔らかくて良い意味で軽い印象。
小学生の男の子と女の子のやり取りって、なんでこんなに可愛いんだろう。
些細な事でムキになって言い合いになる、颯太とまゆ子を見ていると思わず微笑んでしまう。
ナオコ先生の温かな眼差しと、力強い言葉。
そして何よりもその優しい指先で、まゆ子の心をほぐしていく。
ナオコ先生自身も、彼女の営む美容院も、彼女の生活スタイルも、素敵だなと思う。
ただ、出戻った背景や、彼女の子供のものと思われる着物についてもうちょっと触れて欲しかった。そこがどうしても、投げっぱなし感が否めない。
Posted by ブクログ
男の子がとても素直でかわいい。
主人公が声を失った原因が後半で明かされるので、なんだかじれったい感じだけど、少女とびよういんのおばさんとの優しい関係がよかった。
最後、同じ場所には戻らず引っ越してしまったのがよかった。はじめは、同じ場所にもどって、タケルや友だちともまた一緒になれたら、とも思ったけど、それはあまりに楽観的すぎると反省し、この結末のほうがよかったんだろうなと思った。