あらすじ
転校した先の学校で、自分が来る前に行われていた東川さんへのいじめに気づいてしまった明里は、入院している東川さんの事故が、実は自殺未遂ではなかったのかと疑います。やがて明里は東川さんへのいじめの証拠を少しずつ発見していき周囲に訴えるのですが、クラスメートはそのことで明里を敬遠し、ついには明里がいじめの対象になってしまいます。くじけそうになりつつも、明里にはいじめに負けられない理由があったのでした。
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Posted by ブクログ
岡崎明里、もうすぐ11歳になる小5。小規模校ですごしてきたけど、お父さんの転職にともなって、大きな学校に転校する事になった。新しい学校で出会った東川さんは、本が好きでマイペースな女の子。
実際に転校してみたら、クラスメイトはみんな優しくて、学校は一見おだやかに見えた。けれど、東川さんはいない。事故で入院しているという。けれど明里は、東川さんは、事故ではなく自殺だったのではと思いはじめ、いじめがあったことに気がつく。
先生に相談しても、信じてもらえない。クラスで孤立してしまう。明里は、いじめにどう立ち向かうのか。
前の学校でのこと、そして、これから持つべき勇気。
いじめの問題に たちむかえる心をもてるといいな。
Posted by ブクログ
郊外から父親の転勤で都会に転校した岡崎明里。出迎えたクラスメートは明るく親切で、クラスも和気あいあいとしていました。明里は転校することに緊張して損した、とさえ思うほどでした。
ある日、学級会で、入院している東川さんにお見舞いとして千羽鶴を折っておくる話し合いをします。東川さんは、事故でけがをして意識不明で入院していました。
実は、明里は、夏休みに転校する前、学校を訪れた時、図書室で東川さんに会っていました。彼女は、初めて会った明里に「本当の友だちになって」といきなり言ったのです。
何か、不自然さを感じた明里は、東川さんが落ちたという場所に行き、ある考えにたどり着きます。
そして次の日、学年集会で、その思いをみんなや先生の前で明里は言ってしまします。
それまで、とても好意的だった女子や、クラスメートは手のひらを返したように、明里に冷たくあたるようになり、東川さんへおこなっていたように、いじめが始まるのでした。
お話しに出てくる、クラスの女子たち、とりわけ仲良くしてこようとする子の名前が一切出てこなくて、形だけしかのクラスの繋がっていないようで不気味でした。
無邪気な悪意、それがあっという間にクラスの中に連鎖していくようすは、読んでいて辛かったです。湊かなえの『告白』に似た感覚でした。
先生の鈍感ぶりには少々飽きれます。
明里が、過去の自分と向き合って、このままでは何も変わらないと勇気を出して行動していく後半は、救いがありました。