【感想・ネタバレ】されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間のレビュー

あらすじ

41歳で脳梗塞で倒れたものの、懸命なリハビリの末に見事現場復帰したルポライターの鈴木大介さん。鈴木さんが高次脳障害を受容するまでの行程を描いた記事は大反響を呼びました。 そんな鈴木さんの闘病生活を支えた「お妻様」。鈴木さんと「家事力ゼロな大人の発達障害さん」だった「お妻様」が悪戦苦闘しつつ、「超動けるお妻様」になるまでの笑いあり、涙ありの日々をお届けします。

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Posted by ブクログ

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貴重な体験からの当事者感への気づきという普通なら到達し得ない観点からの良書著かと、強い夫婦の結びつきが感じられます

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2019年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当事者ならではのリアリティがあり、非当事者の自分でも非常に納得感がある。

やりたいのに出来ない、という感覚はどうしても出来る側からすると理解が難しい。
不定形発達の方じゃなくても、仕事中に上司からのザックリとした指示が飛んで、完璧にやったつもりでも上司の求めるクオリティに達しておらず怒られて、じゃあお前がやれよとふてくされる、というケースは非常に多いと思う。家事の話では非常に既視感を得た。

「やれて当たり前」の価値観を押し付けないよう、やれる側は環境を改善することでみんなが行きやすい世の中になればいいなと思う。

お二人には末長く幸せに暮らして欲しい。

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2019年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

発達障害の息子がいるので、たくさん本を読んできたし、いろいろ勉強もしてきた。
が、この本一冊の内容の濃さは、これまでの知識量をはるかにしのぐ。
「高次機能障害」を体験したことを、こんなふうに解釈し、このようにまとめた著者は素晴らしい!の一言。
あとがきに書かれている内容、特に日本の社会のありようについて、鈴木氏にはこれからもどんどん発信していってほしい。

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2018年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛ある一冊ですねぇ。
著者の本は「最貧困女子」を読みましたがなかなか壮絶なルポでした。その後「脳が壊れた」というのを何かの記事で見ましたがその本は読んでいません。で、この本。
大変稀有な人生、のように思えるしお妻様との出会いはお互いにとってこれぞ運命、というしかない邂逅だったと言えるように思います。

あえて露悪的な表現ぶりで書かれているように思いますがそのように書くことで夫婦の関係性や空気感を伝えたり、あるいは状態や状況の重さや深刻さを和らげたりする意図があるのかなと感じます。(違うかもだけど、「最貧困女子」は読んだのが物凄く以前なのであまり覚えてないけれど、確かこのような文体ではなかったはず)
お妻様は発達障害だからそうなのか障害がなくてもそういう人なのか分からないけれど、かなりぶっとんだキャラな人であるのは間違いないですが、著者の表現の仕方にあふれる愛があるおかげでか、すごくチャーミングに感じられます。

悪性脳腫瘍の中でも最悪と言われている膠芽腫を患いながら本書のように暮らせるのは身内を脳腫瘍で亡くした自分からすると奇跡としか言えないです。
それにしても、腫瘍取ったところに「読売新聞入ってるのかな?」って(笑)
銘柄まで指定されてるところに思わず吹き出してしまいました。でもこの章は、妻が倒れ夫も倒れ、さすがに読んでいて胸が詰まりました。

雑誌でお二人が取材を受けてる記事も拝見しましたが、鈴木さんの眼差しの優しいこと。いや、すごい人だなと思います。なかなか一般の夫たちなら妻に対してここまで出来ないんじゃないかなぁ。
自分の人生を振り返ってもケッコン生活四半世紀超えてますが、オットにパンツ洗ってもらったのなんか…むにゃむにゃ(本書に関係ないですね)

p155「まだありがとうが足りねえ。もっと毎日ありがとうを言え」可愛くねえ奴だな。ありがとう。
この夫婦のやりとり、最高だなと。

そして最終章の「お父ちゃんのちゃぶ台返し」には考えさせられました。
発達障害当事者は日常において被害者であることが多いけれども一方で加害者の側面もある、という指摘。
本当にそのとおりだなと思いました。これは案外持てない視点だと思います。
これは当事者との関わりという経験がないと実はなかなか理解できないことだと思います。頭でわかったつもりでも実感として理解してもらうのは難しいように思います。
そういう発達障害当事者による加害者的側面という状況を支える側が体験していないと、発達障害当事者と関わりのない人にどう説明して良いのか分からないし、そういう人にそもそも伝える事自体大変に難しいと思います。
例えが「お父ちゃんのちゃぶ台返し」なので読者に誤解されないだろうかとちょっと心配でした。(きちんと暴力にでた時点でその加害者像はアウトで肯定したくないと書いてはいるんですが)
でもここに書かれている指摘は結構重要だと思います。
このことを公的支援者の立場の人に理解してもらえず、苦しんでいる当事者の家族はきっとかなりいるだろうと私は思うからです。(少なくとも自分はそういう時がありました)よく書いてくれたなと思いました。
本書は2018年刊行。著者とお妻様の現在を知らないのですが、お元気でいてくださったら良いなぁ、お二人の続編が出てたら良いなぁと思います。



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2024年09月20日

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