あらすじ
冴えない会社員をしているカナエは、小学校時代の同級生中平かずきと再会する。彼はナゼか一人でロケット開発をしていた。かずきの驚くべき目的を知り、カナエは思わず脱力!だけど、二人は一緒にロケット開発をすることに!カナエとかずきが小学校の時に見たUFOも絡み、思いもよらぬ方向へ物語は進む!いくつかの短編漫画をアフタヌーン誌上に発表し好評だった森田るい氏が満を持して放つ初長編漫画!
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マンガ大賞2018ノミネート作品。
「かつて公園でUFOに出会った」という体験を共有した幼馴染同士の2人が、「映写機を積んだロケットを宇宙に飛ばして、宇宙人に映画を見せる」という荒唐無稽な空想を、現実にしようとする物語です。
たった2人、人知れずロケットづくりにいそしむ彼らのひそやかな情熱がだんだん愛おしくなってきます。
民間人がロケットを発射させようとすると、技術的な問題のほかにも、発射場所はどうするのか? 法的手続きは? 等々、壁や障害がいくつもあります。
その度につまづいては試行錯誤を繰り返し、時には強引な手段をとることも。しかしそれを乗り越えた先にある終盤の展開には、胸が震えるほどの感動が待っています!
地方の小さな町の小さな工場で、何の特別な能力を持たない小さな2人が力を合わせ、大きな夢に向かう姿を見ていると、読んでいる私たちにも明日への活力が湧いてきます。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
いるかいないかもわからない宇宙人に向けた伝言をロケットで打ち上げる。
つったらあの絵だよな……と思い出して調べてみたら「パイオニア探査機の金属板」というらしい。
またそののち「ボイジャーのゴールデンレコード」というもっと込み入ったものも打ち上げられたのだとか。
そして本作ではなんと、映画! それも宇宙空間で上映し続ける! むねあつ!
カバー裏に作者コメント。
「私は映画が好きで、人類が滅んでも地球がなくなっても映画だけはのこってほしいという欲求から、映画を宇宙に逃がしました。」
おお。
元ネタとされる「アフリカ物語」は未見だが、その作中の変な歌というか音声と変な踊り(ヒューイー、ヒューイ―)を真似する男女のコマ。
ここが美しいというか抒情的というかノスタルジックというか。恋愛に至らない絆。