あらすじ
これぞ桐野夏生の原点。江戸川乱歩賞受賞作!親友の耀子が、曰く付きの大金を持って失踪した。夫の自殺後、新宿の片隅で無為に暮らしていた村野ミロは、共謀を疑われ、彼女の行方を追う。女の脆さとしなやかさを描かせたら比肩なき著者のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞!
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Posted by ブクログ
村野ミロシリーズの第一作。
先に二作目を読んで、彼女の夫の自殺理由などいろいろ不明でもやもやしたので第一作に遡って読んでみたのですが、もやもやは晴れず。
村野ミロって、亡くなった人のことをうじうじ考えている割に、今現在の人間関係を大切にしているように見えない。
頭は切れるけれど行動は衝動的で、他人の不幸にいっさい心を痛めた様子がない不気味。
登場人物みんなに言えるのだけど、セリフや肩書で人となりが語られるだけで、互いの人間関係をあらわす様なエピソードがないので、非常につながりが薄っぺらく感じられる。
二作目を読んだうえでの今作の感想としては、精神的な安心感を与えてくれる男、性的な満足を与えてくれる男、仕事を回してくれる弁護士等を周りに配置して、ミロは誰かのために何かをしたの?
受け取るばかりの女が、ハードボイルド気取るなよ、というちょっとした苛立ち。
でも、第三作目も読むよ。