【感想・ネタバレ】十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚めのレビュー

あらすじ

中世は、決して暗黒期ではない。中世とルネサンスの間に、断絶はない――。ルネサンスは1400年代(クァトロチェント)のイタリアより前、12世紀にはすでにさまざまな形で現れていた。ギリシア・ローマ文化を破壊、封印した陰鬱な時代、と捉えられがちな「中世」の真実を、ラテン語復権、大学の誕生などの事蹟から明らかにしてゆく中世の歴史的位置づけを真っ向から問い直した問題作。

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Posted by ブクログ

豊富な知識や調査、鋭い分析に裏打ちされた西洋中世史の専門的書物である一方、分かりやすさ、という点にも配慮されている。素晴らしい。
また章を分け、それぞれの分野に沿って十二世紀ルネサンスを多角的に解体していく著者の胆力には圧倒される。
中世暗黒時代と呼ばれる決まりきった歴史概念と対峙していく精神にも拍手を送りたい。
千年以上にも長きにわたる大きな時間を安易にダークだと断定するのは勿体無い。
日本のファンタジー愛好者たちの作品を分析する際、強い批判的視点にもなり得る。

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2023年05月11日

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