あらすじ
石の名前はとかく、ややこしい。それは「水の惑星」地球が、最も石の種類が豊富な「石の惑星」でもあるからだ。せっかくの石の深さ、面白さを、ややこしいからと知らないでいるのはあまりにも、もったいない。実は複雑に見える石の世界は、たった三つの石の名前を覚えるだけで、驚くほどすっきりと頭に入ってくる。そしてこの地球の意外ななりたちまで理解できてしまうのだ。では、その三つの石とは? 日本一やさしい石の入門書。
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Posted by ブクログ
登山の途中に見える様々な岩石が気になって、初心者向けの岩石書籍を探していて見つけた本。細かい説明を省き、平易な文体で分かりやすく書かれており、非常に分かりやすい。
「本書は石に興味をもった人が初めて読む本、もしくはこれを読むことで石に興味をもっていただく本というつもりで書いていますので、厳密さよりも大づかみなイメージを大事にしたいのです」
「石の名前は、いくつも覚える必要はありません。基本的には、たった三つ、覚えるだけでいいのです」
と全編を通してハードルを下げる努力をしている。特に種々の火成岩の形成過程をカレー鍋に例えているのが秀逸。
また「岩石そのものの説明」よりも「地球形成のダイナミズム」を軸にしているので、ロマンあふれる記述が多く、最後までワクワクしながら読める。
「三つの石によって、地球にはほかの惑星にはない特徴ができあがりました。まず層構造が生まれ、プレートがつくられ、プレートテクトニクスが起きて、水が大循環して地球の内部へと運ばれるようになりました。水は声明をつくる一方で、地下深くに運ばれることによって島弧をつくり、島弧が衝突・集積することで大陸が誕生しました。私たち人間を含めた、多くの地球生命が住める場所ができたのです。」
最後に、登山がらみでいうと、富士山の謎の記述がとても面白い。
「世界でも類がないほどの美しい形をした山、富士山」
「富士山だけがなぜ、玄武岩でできているのかは、いまだによくわかっていない」
「3枚のプレートが接する『三重会合点』ともいわれる地点があるのですが、なんと、その真上にできた山が富士山」
などしばらく追ってみたくなるテーマもあって、さらに岩石への興味が続きそうだ。