あらすじ
『久誓院家最大のショウ』旧家を舞台に繰り広げられる奇妙な父娘愛。『制服は脱げない』女子高生が世相を斬る風刺ショートコミック。『ブリギットの晩餐』妹の身代わりとしてなった少女の奮闘記。『シズルキネマ』駆け出しマンガ家・ケンの同棲物語。『下層戦略 鏡打ち』実録麻雀漫画。『青春じゃんじゃかじゃかじゃか』青臭さ満点の青春告白ストーリー。商業誌未発表だった幻の短編。『エメラルド』作者初の西部劇。
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めっちゃ好き、すごい面白かった。
沙村広明さんって、男の人だけど、男性も女性もそれぞれすごくリアルに生き生き描くし、今回の短編はどれも場面転換でお!っとなるところが多くて、読んでいて本当に楽しかった。
制服は脱げないっていう、フリートークみたいな連載も、あるあるネタ、分かるーって思いながら読んだ。
出てくる女性、みんな強くて男前でかっこよくて大好き。
光る知性
沙村広明さんは、社会の裏側にも造詣が深い。某広告会社の成り立ちもつかんでおり、N国党の党首も驚くのではないかと思う。作品全体としても、刺激的で飽きさせない。
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バラエティに富んだ短編集。QJを定期購読してたので「制服は脱げない」はリアルタイムで読んでいたが、当時は全く作者が沙村広明であることに気付いていなかった。不覚。
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現代物から西部劇まで、幅広いラインナップを揃えた短編集。多少は人が死んだりしますが、『ブラッドハーレーの馬車』みたいな苛酷な描写はありません。
時事問題を扱ったショートトーク?以外は、概ね落ち着いたストーリー物になっています。緩やかな日常の中に異変が起き、静かに正面から乗り越えていく力強さが感じられました。
ちなみにモデルのNIUを高校生にしたキャラクターが愛情を持って描かれており、後に『ハルシオン・ランチ』最終話にも出てきます。
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帯にある通り、短編の名手の作品だと強く感じた。
●久誓院家最大のショウ
父と娘の歪んだ関係。
静謐で悲しいけれど美しいラストに脱帽。
最高の出来。沙村は天才だと確信した一篇
●制服は脱げない
女子高生たちのゆるい日常。
凄く好きな空気。ずっと見ていたくなる。
●ブリギットの晩餐
拾われて奴隷として売られた少女。
買われた先での仕事は館のお嬢様の身代わりだった。
暖かくてジーンとするラスト。感動。
●シズルキネマ
漫画家を目指す青年と同居する中学生。
シズル可愛い。
●下層戦略鏡打ち
麻雀。4頁。
●青春じゃんじゃかじゃかじゃか
制服は脱げないのニュウ子のその後(?)
●エメラルド
西部劇。ピースメーカーに仄かに似ている。
借金のカタに身を売られそうな少女がいったいどうなるのか。
伝説の英雄たちもキャラが立っていて良い。
面白い。短編のお手本のようなラストも気持ちよい。
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麻雀のやつだけよくわからなかったけど、どの作品も面白かった。
どんでん返しというか、話の展開の仕方がすごくいい。こう来たか!!みたいな。
一番最後の西部劇のやつがすごくグッと来た。かっこいい!!!
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帯の「喜怒哀楽全部入りエンターテイメント」に偽りなしの短編集。まず、登場する人間が濃い! ネタもディープで、さくっと読める長さの中にもググっと引き込まれる物語あり。絵柄も中身も濃いです
Posted by ブクログ
谷崎の『刺青』をマンガにしたのがデビュウのきっかけというくらいで、一本目の「久誓院家最大のショウ」から飛ばしまくり。谷崎読んでるとこの話はたまらない。踏まれ願望上昇中てなもんですよ。
二本目は短期連載していたらしい「制服は脱げない」(全8回)。ガールズトークなんだけど、内容がガールズのような、偶におっさん。でも言ってることはなるほどなーとニヤニヤしちゃう。この人の書く女子高生は「健康的ちょっと不健康的意識しない太ももパンツ見えそうな感じ」エロスが、割とリアル。といってもこんな年取った感じの女子高生流石にいないと思うけど。コアな趣味、世間斜め読みな女子高生はこんな感じなのかな? オッサンの書いた女子高生なのはわかるんだけど、なんかこう、いそうなのね。イヤいねえな……・ニュウ子の方が好きです。
三本目、「ブリギットの晩餐」。20世紀初頭の貧しい少女と不遇な金持ちの哀しいィお話ィ~。気に入った作品のひとつ。雰囲気や時間の流れ方の表現が実に丁寧でしっかりしている点と、ヒロインが劇的でなく「こんなもんかなー」的なリアクションをするのが非常に上質な作品に仕上げている。読んだ後、フィイーと一服したら恰好がつくのだけど僕は煙草吸えないのよね。
「シズルキネマ」が四本目。売れない漫画家と女子中学生のニヤニヤ同棲生活。少女シズルが愛らしい。男子の理想まんまなんだけど、その描き方というか演出があざとくなくって、素直に感動できる。結末が切ない。どぅるるるん……
五本目ッ!! 「下層戦略 鏡打ち」ッッ!!!! 九蓮宝燈(チューレンポートー)と聴くとどうしても『天』が出ますな。
六本目のォ~「青春じゃんじゃかじゃかじゃか」ァ~♪
これも気に入りの作品。告白するのに、好きな相手に詩を贈ったり、歌を捧げる気分が未だによくわからないけど、そういう人もいるんだということで。最後のヒゲの男は、昨晩読んだときは回想中の男子かと思ったけど、今読み返したら違うな。
そして短編集を締めるのが「エメラルド」。
西部劇! それは読みきりだと傑作が多いけど連載となるとイマイチぱっとしないジャンル!!
冒頭のナレーションで「この町には三人の英雄の伝説が……」とあるのがもう燃える。複数のプロットが同時進行し、クライマックスで結ばれるのがもう快感。効果音の使い方が見事。ひとつの印象的な音がシーンを騒がしくするきっかけとなったり、逆にひとつの音が場を静まらせたり、無数の音がシーンを埋め尽くしたり、なるほどアコースティック。
今度から何かの蓋を勢いよく開けるときは「ダァァン!!」と音を立てよう。もちろん、口で。
短編集というタイトルに偽りない、外れなしの単行本なので買って損はしないかと。
Posted by ブクログ
まぁ、病気っぽいけど、それがおもったほど陰湿にならないところが不思議なところです。
そして、なぜ陰惨にならないかというと、乾いてる。良くも悪くも、基本、他人にそんなに興味ないのではないかと。
その乾いた感じがいいともいえるんですけどね。
そして、時代劇でも、現代劇でも、西部劇でも、どれでも変わらずにOKな絵柄。どれも、ちょっと違和感があって、それがアウトローな感じをだしていて似合っている。
Posted by ブクログ
未レビュー消化。沙村先生お得意のサディスト描写から始まる短篇集。作品の合間にある沙村ギャグも面白いですが、一際惹きつけられたのはブリギットの晩餐でした。ブリギットや他のキャラたちの感情の揺れ動きはそれ程激しいものではありませんでしたが、一枚一枚の絵にそれぞれのキャラの思考が描かれているように見えて面白かったです。
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『久誓院家最大のショウ』が最高。沙村 広明の描く女性は冷たい奇麗さがたまらないですよね。虐げられたい。『制服は脱げない』のとりとめとなさもよかった。
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短編集。
俺は基本的に、この人(沙村)を全面的に肯定する。
同じく短編集「おひっこし」がド直球だったので、以来大好きな漫画家。バカなことを必死で(=持てるかぎりの技術をつかって)やる、というのはナカナカかっこいい、という事に気付かせてくれた恩師。
こんなに世界をナナメに見てて、かつ必死なひと中々いないよ。
しかもエロイ。エロいというよりは官能的。「ブラッドハーレーの馬車」は行き過ぎな感がしたが。
「制服は脱がない」が最高にいい。
Posted by ブクログ
このひと何歳なんだろう。
どんなときにもいつの時代にもある子供の心や少年のコトバや現代のニュアンスがいつもナチュラル。
というか作品作品の感情の全部が自然。
にゅるっと生きながらその場に、その時に、自然に立ってられるんだろうな。
短編は個性的と称されるテーマばかりかもしれないけど、実は気持ちの中じゃみんなこれがリアルっていう。
現実も、空想も、全てがいつも「今」な感覚なんだなあと寧ろ羨ましいくらい。
やはり希有な作家だなぁ。
そして短編といえど、いちいち大満足できる一冊でやす。
Posted by ブクログ
これも絵柄で避け気味だったんだけど、「ハルシオン・ランチ」の第一話をアフタヌーン連載時にたまたま読んで割と面白かったので買ってみた。絵も慣れてきたら割と好きになってきたし、面白かった。
下記引用の名フレーズはここからでしたか。
Posted by ブクログ
沙村広明の短編集。全部テイストが違ってギャグからシリアスまで揃ってます。ブラッドハーレーのような後味の悪さはないので、あれが苦手だと言う人でも読んでみる価値はあるかも。絵の綺麗さは言うまでもない。
Posted by ブクログ
沙村広明ってこういう人なんだよな。無限の住人よりも氏の世界観を垣間見れると思う。しかし胸を張って傑作と言えないのは、少々、刺激もしくは厚みや深さといった類が少ないからなのではと言う気がした(超個人的見解)。まあ趣味だから仕方ないな。時事ネタギャグは吹いた。
Posted by ブクログ
遠目でも一目瞭然な、従来の沙村氏と正反対な絵柄の表紙が目印。
「ブリギットの晩餐」のラスト、余りのやるせなさにちょっと涙が出た。
「シズルキネマ」、氏はブルマにあんまりこだわりが無いんだろうなとか思いながら読んだ。
「エメラルド」で久々のウエスタン体験を堪能。
なかでも女子高生時事ネタ漫談マンガ「制服は脱げない」は爆笑させて頂きました。時事ネタは鮮度が命なので未読の方はお早めにどうぞ。
Posted by ブクログ
沙村広明の短編集。相変わらずシリアスとギャグの落差がすごい。独特のノリすきです。アフタヌーンに掲載されたもの(シリアス)はすべて読んでたけど、こうやってじっくり読むとまた格別。『エメラルド』は特に物語として非の打ちどころがないくらい完成されてる。でもいちばんすきなのは『ブリギットの晩餐』なんだけどね。だって萌えがすごく合致しているんだもの。
シリアスのものの完成度にくらべ、ギャグがはっちゃけてるのもこれはこれでよい。
このひとの描くロリ~女子高生に情念がこもっていて、やはりロリコンとしては喚起されてしまうわけです。あとやっぱりホクロ。フェチって大事だよね。
Posted by ブクログ
沙村広明さんの短編集は前のブラッドハーレーの馬車でぎゃふんと言わされたので怖々と購入。
で、これは大丈夫でした。やっぱり突き放す様な終わり方もあるけど、要所要所に入っている「制服は脱げない」が良いのかも。ゆるい女子高生のやりとりを借りた作者の本音(?)が面白かったです。
Posted by ブクログ
沙村広明と言えば「ブラッドハーレーの馬車」が割とトラウマでこれも最初買う気なかったのですが、評価高いようだったので買ってみました。
評判通りいろんなジャンルの短編が入ってて、すべてが完成度高くて面白い!
特に私は「制服は脱げない」シリーズがお気に入りです。すごく悲惨な漫画を描く人のグダグダしたどうでもいい話大好きなんですよね~。あと「ブリギットの晩餐」もすごく良かった。ああいうピュアな話は救われる。もうちょい長い予定だったってあとがきに書いてあったけど、確かにもっと掘り下げて読みたかった作品かも。
Posted by ブクログ
久誓院家にいる謎で綺麗な家政婦。それを嫌いな女子高生・馨。お父さんは娘をビデオカメラで録画するけど、どうもちょっと変な人のようだ。
でも、後にわかる、お父さんの行動の真相がなかなかすごい。
他にも感慨深い作品、笑えるものあり。
Posted by ブクログ
クイックジャパンについて定期購読ではなく、興味がある特集の時しか買わない。
必然、連載している「制服は脱げない」も、1話か2話しか読んでいないんだけど、これを全話読みたかったので収録されている単行本を買いました。
なんちゅうか…ほんとに独特だよなあ…。(としか言えない)
最後に収録されている中編「エメラルド」が一番好きです。
この作家さんのことだから、きっと最後にどんでん返しが。と思ったら、大岡裁きのようにスカッと終わった!もっとこういう話も書いてほしいよー!