【感想・ネタバレ】聖火のレビュー

あらすじ

第一次大戦後の英国上流家庭。事故で半身不随となりながらも快活にふるまう長男が、ある朝、謎の死を遂げる。美しい妻、ハンサムな弟、謹厳な母、主治医、看護婦らが、真相を求めて語り合う。他殺か、自殺か。動機、方法は? 推理小説仕立ての戯曲は、人生と愛の真実を巡り急転する。二十世紀随一の物語作者が渾身の力を注ぎ、挑んだ問題劇。今なおイギリスで上演され続ける、普遍的名作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「月と六ペンス」以来のモーム作品。こちらは戯曲。

推理小説ではないのだけれど、その要素もあって、ほぼ一気読み。

半身不随のモーリスは何故死んだのか、事故か、自殺か、他殺か。次々と明らかになる新事実。妻かその愛人が犯人で決まりかと思いきや、さにあらず、驚きの真犯人とその動機たるや。

作品内では、死は内密に処理され、誰も法の裁きを受けることはなく大団円を迎えるのだが、如何に動機が善であったとしても、これが裁かれなくて良いのか、という点では、意見が分かれるのではないだろうか。少なくとも、現代の基準では、これを安楽死と認定することは出来ないだろうと思う。かといって、有罪とするのも気の毒ではあり、起訴されたとしたら、執行猶予だろうか。

タイトルの原題は The sacred flame
母の子に対する愛の含意のようだ。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

半身不随の夫の不可解な死をめぐる推理小説風の戯曲。立場が違えば抱える悩みや思考も変わってくるのだろうが、互いの価値観のぶつけあいが読み手の心をささくれ立たせる作品である。最後のシーンにおいて何が正しいのかなんて議論しだしたら、人間の利己的で卑しい面があらわになりそうである。

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2024年05月31日

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