【感想・ネタバレ】渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月27日

 漠然と認識していた「渋カジ」の誕生の経緯やスタイルの変遷を追った本書。それによると、渋カジという言葉が生まれたのは1988年ごろで、チェックメイトやホットドッグプレスなど雑誌を通じて全国に広がった。それ以前の1985年からのアメカジが洗練されていったスタイルだという。85年はDCブランドブームの頂...続きを読む点。そこにストリートの流行としてアメカジが登場する。DCブランドに広告をもらっていた雑誌も、その流行を追随する。ちょうど団塊ジュニア世代がおしゃれに目覚めた時期もあって、巨大なムーブメントになったという。終焉は92年とされている。

 チームオーダーのスタジャン、ジョッパーズパンツから始まり、リーバイス501
MA-1、アヴィレックスのB-3、レッドウイングのエンジニアブーツ、オシュコシュのワークシャツ、襟を立てたフレッドペリーのポロシャツ、10ボタンヘンリーネックシャツ、ニューバランスM1300、M996、M576など高級スニーカー、ウールリッチのマウンテンパーカー、LLビーンのフィールドコート、「キレカジ」は、ラルフローレンやブルックスブラザーズの紺ブレ、ティンバーランドのスリーアイクラシック、ラルフローレンのブラックウオッチ柄のショルダーバッグ、レスポートサック、「ハードアメカジ」はバンソンの革ジャン、ベルボトムにブーツ、ゴローズのインディアンアクセサリー
 こうして挙げられたアイテムだけ見ても懐かしさが漂う。服装の好みは若いころに着ていたものに影響されると思うが、確かに私もヘインズのTシャツや、リーバイス501、ラルフローレンのポロシャツはいまだに着ているし、ベーシックで良いものと刷り込まれている。
 一方、渋谷といえばチーマー。原型は、84年ごろに明大中野の遊び好きの高校生が作った「ファンキーズ」だったという。最初は都内の有名私立高校に通う頭が良くておしゃれで不良の集団が、メディアに取り上げられ、首都圏各地から集まってくる烏合の衆に。そして凶悪化し、95年の一斉取り締まりで事実上、渋谷からチーマーが消えたとしている。

 服装の好みは若いころに着ていたものに影響されると思うが、確かに私もヘインズのTシャツや、リーバイス501、ラルフローレンのポロシャツはいまだに着ているし、ベーシックなものと刷り込まれている。東京にいなかった私ですらも、雑誌を通じて同時代体験をしていた。団塊ジュニアほどの巨大な塊となる世代がない今、もうこんなファッションムーブメントはなかなか起こらないのだろうなと感じた。

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Posted by ブクログ 2018年02月10日

80年代後半から90年代前半の渋カジについての変遷と、関係者へのインタビュー集。

私にとって中高大がこの時期で、まさに懐かしの時代。

ただ、ファッションにそれほど頓着がなかったし、ファッション誌を読んでないので、この本を読んで、なるほどそういう流れだったのか、と改めて、歴史から自分の周りの雰囲気...続きを読むを再認識させてくれる本。

アメカジ→渋カジ→キレカジ→ハードアメカジと変化していく過程が具体的でなかなか面白い。

DCブランドブームがそれまでのIVYやハマトラなどの海外からの輸入もののはやりだったものを、断ち切り、日本のデザイナーの勢いから、ハイデザインをアート的にはやらすという画期的なものであったが、庶民が自分なりにコーディネートすることが難しい。

そこでバブル期の大学生のサークル活動などのお揃いのスタジャンを作るなど(私は大学時代のそのノリが大嫌いだったが)をして、青春を謳歌していたものを高校生たちが、マネをし始める。渋谷で有名私立高のチームが発生。この層がインポートショップから大量に服を買うようになり。という流れ。

若者の風俗、時代背景、いままでの流れ、当時の渋カジ学生たち、ショップの店員等のインタビューから立体的に、渋カジとは何かが浮かびあがっていて面白い。

チーム、チーマーの歴史も、確かにあったなーと、私の高校にもチーマーいたけど、完全に自分とは違う人たちとしてみていたなー。改めて、こんな恐ろしい世界には入れないなーと思った。

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Posted by ブクログ 2019年07月21日

光陰矢の如し。あの時、ボクはなに着てた?上京して初めて買った服が原宿のビームスだったりとか、憧れていた女の子に薦められてバックドロップでスタジャン買ったりとか、また付合った娘が洋服大好きで本書の第5章「渋カジ・ショップ・マップ」に出てくるお店巡りがデートコースだったりだとか、忘れていた記憶がどんどん...続きを読む蘇りました。自分は全然オシャレさんじゃなかったけど、渋カジの女の子はマジ可愛いかった。パルコ、西武などの渋谷への資本投資があって、DCからのアメカジ、渋カジが団塊ジュニアの購買力を顕在化させ、渋谷系という音楽が時代の空気を作るぐらいまでが渋谷=新しい東京という感じでしたが、コギャルが跋扈し始めた世紀末渋谷からは足が遠のきました。また新しい都市開発で渋谷大改造が行われていますが、そのベースは団塊ジュニアが、親たち団塊世代の聖地、新宿とは違う街として渋谷を作り上げていったことが、始まりなのかもしれなせん。しかし2020年に向けての新渋谷はIT企業の本拠地でもあり、ITがファッション業界を変えてしまっていることを考えると、本書にあるフィジカルなカルチャーとしてのファッションはどう生き残るのか?それは今や50代になろうとしている団塊ジュニアがなにを着るのか?にかかっているのはもしれません。一見、唐突に思える最終章の「団塊ジュニアは“七転び八起き世代”である」は力強い筆者のアンセムに見えました。

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Posted by ブクログ 2019年08月25日

渋カジって団塊ジュニアが作ったのね。
チーム・チーマーの歴史がたどれる。最初は明大中野だったのか。そのころ輝いていた人たち(田中律っちゃんとか)のインタビュー集が面白かった。

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