あらすじ
親友を交通事故で亡くした中学1年の理央は、ペットショップで出会ったちいさな鷹を育てはじめる。野生を失いつつある鷹の「飛ぶ」力をひきだすことはできるのか。そして、鳥が「帆翔」する姿のように、理央が心のバランスを保ちながら空をみあげる日はやってくるのか。九州の空を舞台に、不器用な少女が生きる気流をつかもうとする青春小説。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
葉山理央(中1)は、親友を交通事故で亡くして以来、明るさを失っていた。そんな時、ペットショップで鷹と出会う。
親友が生きていた時にはヒナだった鷹が、成長していた。
威風堂々とした鷹に、理央は心惹かれた。両親に相談して、鷹を飼うことを決めた。
マンションでは可哀相なので、幼なじみの上田康太の家・龍安寺に小屋を造らせてもらい、理央は毎日鷹(モコ)の世話をしに通った。また、近隣の市に住んでいる鷹匠の女子高校生・平橋さんを訪ね、鷹の飼い方、飛ばし方のアドバイスをもらい、餌(ヒヨコ)を調達する所を紹介しでもらったりする。
はじめは飛び方を知らなかったモコも、愛情いっぱいに育ち、訓練を重ねるうちに高く飛べるようになってゆく。
理央は、死んだ親友・遙への思いをモコに託して、高い空をあおぐのだ・・・
ストイックな青春物語。理央もかわいいし、幼なじみの上田康太(寺の子なので仏教の教えを学び、僧じみているけれど、養護施設から寺の養子になった経緯もあり、悩みもある)もいい味をだしている。
九州の言葉と、自然豊かで、空が広くて高いのを一緒に体験できていい。
Posted by ブクログ
珍しく検索一発おっけー。
治ったのかしら??
まはらさん作品3作目。
まあまあ、かな。
幼なじみが事故で死亡。
その遺品になった手袋をずっとはめたままでいる主人公の理央が
亡くなった遥に見せたい、と鷹を飼い飛ばす訓練をしていく。
多分、失ったものに大きく傷ついて、
それが鷹を育ててゆくなかで、段々と癒えていってるんだろうけれど、
そのへんは別にいらないような・・・・。
ただ鷹匠に憧れて、鷹に夢中になっていくってゆーだけでも十分な気がした。本当はもっと重いものなんだろうけど、手袋の存在感があまり感じられなかった。康太も、彼自身はいっぱい悩んだりしたんだろうけど、
ちょっと人間できすぎだろって感じ。本当は違うんだろうけど、
読んでるといやにあっさり解決したなーって印象がぬぐえず。
鷹を育てる部分はおもしろかった。
非常に興味深い。
一番印象的だったのは、必要がなければ鳥は飛ばない、ということ。
びっくり~。
生きるために必要だから、飛ぶ。
なんか、すごい。
自然に生きるってことの厳しさと、なんとゆーか、よくできてるなあっと
ゆう、畏敬の念。
ヒヨコぴよぴよを食べるってのは確かに想像するとちょっとぎょっとする。
けど、私が毎日していることだって同じことなんだ、と思う。
何かの命を糧に今の私がある。
その実感のなさに愕然とする。
鳥の要素だけがない。
その表現が素敵。
鳥は生きるために飛ぶ。
じゃあ、人は?生きるために、何をすればいいんだろう?