あらすじ
不妊治療を始めるか、続けるか、やめるか、突然の妊娠、仕事と出産、育児をどうするか、流産をどう受けとめればいいのか、独身で産むか、病気で産めなくなることにどう向き合えばいいのか……妊娠と出産をめぐる女性のさまざまな戸惑いや迷いを丁寧にすくいあげる注目作。産む、産まない、産めない―ー「産む性」として揺れ動く女性たちの"心の葛藤"とそれぞれの"人生の選択"を描いた八つの物語。人生のヒントがここにある。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
短編集。全てのお話が、つらい状況でも終わり方がすごく前向き。
ダウン症の姪が産まれる、「レット・イット・ビー」の最後が良いなと思った。
「妊娠したら産めばいいし、機会がなかったとしても後悔する必要もない。ないものばかりを捜す毎日はつまらないし、手にしたらきっと他のものが欲しくなる。あるがままに。」
この箇所を読んで、泣くまではいかないけど、じーんと来た。
私自身は、子どもを一人産んだけど、妊娠も出産も育児も、一人で精一杯、二人目は無理と思っていて、でも本当に二人目を産まなくて良いんだろうか…と悩んでしまっていた。だけどこの箇所を読んで、ないものを捜しているだけなんじゃないかと思った。二人目を産んだら、次は何か他のものが欲しくなるのかな。
この「レット・イット・ビー」が一番良いなと思ったら、あとがきを読むと著者の経験から来ている話だと知ってなるほど〜と思った。
あと、死産の話は、私にも死産を経験した友達がいて、その友達のことを思いながら読んだ。
産院で他の人の赤ちゃんの声を沢山聞きながら死産で入院しているのはほんとに辛かっただろうな…と読みながら思った。かけられる言葉なんてないのに、私がかけてしまった言葉は友達を傷つけただろうな…とも思った。
この話では、最後に主人公は旦那さんの言葉で前向きになるけれど、そんなにすぐに前向きになれるだろうか…と思った。自分が苦しんで産んだ子どもの遺骨を海に撒くシーンが読んでてつらかった。
最後のお話「昨日の運命」が、一番最初のお話「最後の選択」の続きで、途中に出てくる「コイントス」でも同じ登場人物が出てくるのが良かった。
「昨日の運命」に出てきた言葉、
「わかりやすい不幸を見せびらかすのは甘えだ」
に、自分も気をつけようとハッとさせられた。
あと、男性の育休についてのお話。
この本が単行本で出たのが2014年なので10年くらい前だけれど、そんなにも男性が育休取るのって珍しくて難しいことなのか…と思った。
夫は2023年に4ヶ月育休を取ったが、夫の会社では男性で育休を取ったのは夫が初めてだったらしい。男性が育休を取りたいって会社に言うのは相当の勇気がいるものなんだなとこの本を読んで思った。もっと当たり前になってほしい…。
窪美澄さんの「いるいないみらい」と似たようなテーマの本だった。「いるいないみらい」は出産前の妊娠中に読んで、この本は出産後の子育てしてる時に読んだ。読むタイミングの問題かもしれないけど、この本の方が心に残った。