【感想・ネタバレ】地下水と地形の科学 水文学入門のレビュー

あらすじ

黒部川扇状地、武蔵野台地、千葉・市原、熊本市……。三次元空間を時間とともに変化する四次元現象である地下水流動を可視化する水文学。地下水の容器としての不均質で複雑な地形と地質を解明した地下水学は、改めて環境問題に取り組む。地下水=共有財(コモンズ)を、単に資源としてではなく、文化・心理的な環境要因とみなし、自然と人間の幸福な関係を探究する。

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Posted by ブクログ

夜空の星を扱うのが天文学であるのに対し、地球上にある『水』を扱う学問を水文学というそうである。この本は凡そ20年前に執筆されたものを、ほぼそのまま文庫化したものだが、本質は色あせず、まさに入門書として好適であるように思う。

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2013年04月14日

Posted by ブクログ

地下水の流れについて一般的な知識を得ようと手に取った本書だが、素養がなく地下水ポテンシャルについて十全に理解できたかといえばはなはだ心もとない。
一般向けを意識してか、エッセイのような部分と科学的な説明とが混在している印象はあった。
だが特に武蔵野台地の湧水が、古多摩川が形成した扇状地の端、標高70メートルあるいは50メートルのところに位置するなど、具体的に地形を見ながらの解説は分かりやすく、非常に面白かった。
読み直しつつ、他の地下水についての本も読んでみようと思う。

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2016年12月06日

Posted by ブクログ

この著者は知らなかったが、地下水学における第一人者?的な研究者らしい。
これまでの長きにわたる研究の成果として、地下水のトレース(同位体とか温度とか…)、扇状地地形との関係、武蔵野の谷戸地形形成との関係、地下水保全と利用について等、あらゆる方面について示唆に富む内容であった。

岐阜、長良川扇状地において地下水や水循環のことを少しかんがえ始めると気になるようなことがちりばめられていたので有益だったし、読んでよかった。別の著書『扇状地の水循環』とかも読んでみようかという気になった。

ただし、ところどころ(大御所らしく)感情的になっていたり、ナルシスト風に語っていたり、にわかに社会科学寄りに走っているところがあったりするのは、いくら一般むけ書物であるとはいえちょっと鼻につく。

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2016年07月13日

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