【感想・ネタバレ】日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語のレビュー

あらすじ

伊豆半島衝突、富士山噴火、海に沈んだ東京・大阪・京都、消えた縄文文化、移動する琵琶湖、瀬戸内海をナウマンゾウが闊歩する──。1500万年前、ユーラシア大陸の東の端から分かれて生まれた日本列島。現在、私たちが目にする風景・地形も、時代をさかのぼると全く違った顔を表します。本書ではおもに100万年前以降を中心に、複雑な地形に富んだ列島の成り立ちを解き明かします。驚きに満ちた日本列島史!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

各地方ごと,特に石川県やどこかの観光地の地質などには,そのときどきに興味を持って調べてきたが,こうして,日本全体を見渡した地学を読んだのは本書が初めてだ。

本書のタイトルには「100万年」と銘打ってはあるが,それは「地域別の詳しい話」の場合であって,ちゃんと日本海開裂(1900万年前~1500万年前)から書かれているので,心配は要らない。

「第1章 日本列島はどのようにして作られたのか」で総論が述べられている。この章には,たくさんの専門用語が出てくるのだが,挿絵も多いので,なんとか解読できると思う。
第2章以降でも,第1章で使われた用語が出て来るので,忘れた場合は,その場所に戻りながら読み進めるとよいだろう。

2,3日で一気に読める人は,そんな必要もないかもしれない。

日本列島の地形学入門書として,お薦め。

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでて楽しかった。
この分量で日本列島の地形の成り立ちについて残さず深く切り込むことは不可能だから、『楽しく』読ませて読者に『次はもう少し詳しいのを読んでみるかな』って思わせることが、こういった書籍には必要なんだろうと思う。

その意味で、この書籍は大成功だと思う。
ただ、その意味では、巻末に『興味を持ったらこんなのを読んでみては?』って実名で紹介していたらなお良かったよなとは思う。

0
2018年10月14日

Posted by ブクログ

久しぶりのブルーバックスだ。日本列島がなぜこのような形になっているのか? 総論から、7つの章の各論まで丁寧な解説。地質屋にとって自明の理でも、素人にはプレートの移動から生じる地形の理論は、なかなか文章では理解しにくいものだ。そこを映像的に補ってくれるのがブラタモリだと言うことに思い至った。

0
2018年04月28日

購入済み

地球は生きている!

阪神大震災、東日本大震災と大きな地震が続き、それが1000年に一度などの大きなスパンで発生することを知り、長い時間をかけて変化する地殻の動きに興味を持っていたところでした。本書に明かされた100万年という時間の中での日本の国土の動きは正に生きている地球の一場面を見せられた思いがします。
生きている地球の営みにより起こる変化を知って、対処を考えておくことの重要性も教えられました。
筆者、編集者など、本書を世に出していただいた方々に感謝!感謝です!

0
2017年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 地球は宇宙における奇跡。日本は地球における奇跡。
 よくもまあこんな場所があったものだ。複数のプレートがせめぎあい、ほどよい深さと大きさの縁海(日本海)がある。山、平野、おびただしい数の火山、活断層。
 それが自然の豊かさを生む。
 …災害も生む。そして自然を畏れ敬い、あらゆるところに神を見る日本の風土が出来上がった。

0
2017年02月15日

Posted by ブクログ

日本列島100万年史 山崎晴雄 久保純子

地理学という地球表面の生い立ち
プレートの成り立ち
変化し続けている陸と海の歴史
極東列島が生まれた経緯

0
2021年12月12日

Posted by ブクログ

日本は地震大国、火山大国であり、毎年のように台風がやってきて川の水量が増すというのに、最近は高校で地学を必修にしている学校が極めて少ないという。この本に書かれていることは、もっと学校で教えられるべき内容だと思うし、ボリュームがありすぎると言うなら、せめて自分の住んでいる地方のことだけでも教えるべきではと思う。いくら防災グッズを備えても、自分の住んでいる場所の土地の成り立ちと、それに伴うリスクがわかっていなければ、適切な行動はとれないのではないか。
ページ数の関係でこの本に収まりきらなかったのだろう、言及されていない地域でまだまだ知りたい場所はたくさんあるので、ぜひ続編的なものを出してほしいと思う。

0
2021年02月23日

Posted by ブクログ

最初にプレートテクトニクスから入って全体の説明をした後、日本列島を「北海道」「東北」「関東」「近畿」「中国・四国」「九州」の5つのエリアに分けて、エリアごとの地球科学的な地形の成立にまつわるエピソードを紹介した書籍

0
2020年12月03日

Posted by ブクログ

◯まずはプレートテクトニクスを説明して、後の章では各地域における特色を説明している。
◯各地域の説明は大変興味深いが、いかんせん、初学者で読むとなるとら各地の地名や地勢は全く不明であるため、何度か地図を眺めたくなった。そういう意味では、地理的な知識がないと、各地域という点では理解しにくい。
◯しかし、地学の魅力という点においては、充分満たしてくれる。

0
2020年01月31日

Posted by ブクログ

今から2万年前の氷河期には,海面が今より120mも低かったと考えられており,瀬戸内海は陸地で対馬海峡もほぼ塞がれていた由.(p181, 図5.2.2) 色々なことが想像できて,楽しめた.昔のことがかなりよく分かっているようで,驚いた.昨年四国を横断したが,山の具合が中国地方とは全く違って急峻だった.本書の説明である程度理由が理解でした.

0
2018年06月24日

Posted by ブクログ

日本列島の成り立ちの概要と地域ごとの特徴的な地形を紹介してくれている良書。
日本列島の特徴である山ができる経緯をプレートテクトニクスをベースにわかりやすく説明されている。
小さい頃からプレートテクトニクスを当たり前の様に受け入れていたが、この学説が1960年頃から急速に発展したことを知り驚いた。1900万年前に遡る日本列島誕生のメカニズムを最近の50年というわずかな時間で、紐解いたことになる。計測技術、分析技術の発展と補完しあいながらであると推定するが、この学説がいかにエポックメイングであったかは、想像に難くない。
山に囲まれている日本列島が奇跡の連続で誕生し、まだ今現在も変化し続けていると考えると、普段訪れている、富士山、箱根、伊豆半島を見るめが確実に変わり、新幹線の車窓から見る山々やトンネルさえも愛おしく思えるよになった。

0
2018年01月25日

Posted by ブクログ

「日本列島はどのようにして形作られたか」という第1章に続く各章で、地域ごとに特徴的な地形を紹介していく。出身地やいま住んでいる地域などは特になじみ深いので興味深く読める。所々に歴史などのエピソードが挟まれているのも楽しい。

地学の基礎知識についても述べている第1章については、他の本を併せて読むと良いかも知れない。たとえば鎌田浩毅『地球の歴史』(中公新書)の上巻2, 3章や下巻11章など。

本書を読むにあたって地学の基本が分かっていないせいで、内容を理解できない図がちらほら。

0
2017年09月01日

Posted by ブクログ

日本列島に関する地形学のこの本が売れてるという。日本列島にどういった形の力が働いて出来上がって来たのか、これなら多少はイメージ出来るよな、という内容。長い年月の間に氷期と間氷期が繰り返され海面が2、300mレベルで上がったり下がったり、2、3県を埋め尽くす様な噴火があったり。太平洋側から主に二方向でプレートが沈み込んで列島に複雑な皺を加えつつある。日本列島形成史を広く深く紹介している地形学のコンパクトな読み物が今まである様でなかなか無かったので、良いものがやっと出たという感じかな。出来上がるまで10年近く掛かったらしき後書きの内容。編集者も執念あるね。言葉遣いや図表は一般読み物というより専門家向けの色がかなり残ってしまっているのが、ちと残念。

0
2017年07月18日

Posted by ブクログ

日本列島の地形が語る地球の物語。タモリ倶楽部の地形の回の巨大版。著者たちと一緒に山歩きして地形を目の当たりにしながら話を聞きたいな。せめて地図を見ながら。あっ、それは出来るね。

0
2017年03月29日

Posted by ブクログ

「ブルーバックス通巻2000番!」記念で献本されました。
伝えたいことが多すぎて、素人にはちょっと難しい感じでした。
タイトルは「日本列島100万年史」ですが、中身は100万年に特化しているわけではありません。
日本が出来た仕組み、火山の噴火、地震のことなど、手元に置いておきたい本です。
ちなみに、「久保純子」さんは、アナウンサーの「じゅんこ」さんではなく「すみこ」さんです。

0
2017年02月06日

Posted by ブクログ

日本列島の成り立ちと各地方ごとの地形がどう成形されたのか、簡潔にまとめられています。日本の周りには3つのプレートがひしめきあうことにより、地震や火山が多く存在します。大陸プレートは密度の低い花崗岩、海洋プレートは密度の高い玄武岩でできているため、二つがぶつかると海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込む、ということは本書を読むまで知りませんでした。このときマントルに対流が発生して、その湧昇流で大陸プレートが引きはがされ、日本海開裂が発生、東北日本は反時計回り、西日本が時計回りに回転しながら東へ移動、その間にフォッサマグナと呼ばれる大地溝帯が形成された、と説明されています。

12万年前の間氷期には、海進が進み東京の山の手のあたりは海だったとのことです。それから2万年ほど前の氷河期には、海水面が今より120mも下がり、北海道や九州北部は大陸とつながっていた時期があるそうです。そのため、マンモスやナウマンゾウが渡来できたと。東京湾は干上がり、陸地となり海岸線は浦賀水道まで後退したようです。その後の間氷期の7000年程前の縄文時代には、現在より気温が2-3度高く、海水面が上昇し、現在海岸から離れた内陸部まで海岸線が入り込んでいたと言います。これを縄文海進といい、埼玉県などの内陸に貝塚などがある理由だそうです。

富士山の直近の宝永噴火は、1707年ですが、これは1703年の元禄地震とそれに続く1707年の宝永地震のわずか49日後であったことから、地震と噴火の関係があったことが覗われます。火山灰(スコリア)が大量に酒匂川に流れたため川床があがり、洪水が頻繁に起きるようになりました。これを治水したのが二宮金次郎です。

大和地方で都が造営されたのは、盆地の存在でした。周辺の山から木材を伐採して都市を建設し、木材が枯渇すると別の盆地に遷都する、と。これが頻繁に繰り返された遷都の理由というのですが、建築資材がその要因だったのですね。

人間の生活の営みが自然の制約を受けるというのは、歴史的には当たり前だったのですが、現在では人間の活動が自然に及ぼす影響が全世界的に取りざたされています。地球規模の循環と、温暖化ガス排出の影響がどうせめぎ合っているのか、興味をかきたてられるテーマです。

0
2021年07月21日

Posted by ブクログ

ずいぶん時間がかかってしまったけれど、ようやく最後までたどり着いた。
100万年前から現在までを、自然地理学?の用語で「第4紀後半」というらしい。
その間に各地で起こった変動を説明していく。

第一章は総論。
日本列島が現在の弧状列島になったのが約1500万年前。
それを引き起こす地殻内部の動き(プレートの移動やずれ、火山のでき方など)、気温の変動による海面水位の変化が語られる。
ここ、CGで見たい!と思う。
一番ドラマチックなところ。
なおかつ、言葉ではイメージしづらいところもある。

第2章以降は、北海道から九州までの各地の地形についての解説。
富士山はどうやって形成されたのか、とか、古代王朝が近畿地方で遷都を繰り返すことができた(あるいは繰り返さねばならなかった)条件は何か、など、個別的な話として面白く読んだ。
東日本の記述に厚い。
そして、沖縄の記述は…ない。
ここら辺は、できれば改善していただきたい。

読みながら考えたのは、どういう編集方針にすると、予備知識がほとんどない私のような読者にもすっきり収まる感覚を与えられるかということだ。
地理学なのか地学なのかわからないが、その時代区分がわからなく、困ることもある。
変換表かなにかつけてほしい。
さらに言えば、地域別の編集もどうだったのか。
いや、確かに、地域別の方が、各地の特徴的な地形を説明するのに向いている。
だったら、巻末に年表をつけたらどうかと思う。

それから、用語の解説が初出の部分でなく、あとで出てくるのも困る。
「トラフ」という言葉は、いまや新聞にも散見される。
けれども、正確な意味を知る人ばかりではないだろう。
本書でも、第1章からでてくるのに、説明が出てくるのは何と216ページ。

良い本だと思うからこそ、いろいろ注文を付けてしまった。

0
2019年08月11日

Posted by ブクログ

おもしろい。どうやって日本列島ができあがったのかという地学的な事や、列島の歴史を知ることでその土地の震災のリスクも知ることができた。

0
2019年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

入門書的、新聞のヘッドタイトルだけを読んでいくような感じなので、面白いと感じたトピックのキーワードを知るにはいいかと思う。膨大な範囲をこんなペラペラな本にまとめてあるだけあって結構無理はあるし、敬体なのでかなり読みづらかった。

0
2018年05月19日

Posted by ブクログ

新書一冊で100万年史を記述するのは不可能。10冊くらいの内容を一冊に押し込んだ感じ。1章で日本列島の成り立ちを大まかに説明した後は、各地方のトピックスが挙げられいる。小説であれば大河小説というよりは、短編集という感じ。短編集のひとつひとつは面白い。

0
2017年12月30日

Posted by ブクログ

日本列島の地形・地質がどのように形成されたのか、その大枠と詳細をわかりやすく解説している。新書ながら非常に情報量が多い。

0
2017年12月17日

Posted by ブクログ

 たまに無性に読みたくなるブルーバックスシリーズ。
 今回は日本列島の成り立ちについて。
 
 東北日本が反時計回りに、西南日本が時計回りにフォッサマグナを中心にぶつかり、更に南から北上してきた伊豆半島がぶつかってできたのが日本列島だ。
 
 北海道、東北、関東とそれぞれの地方において顕著な地形の成り立ちを説明する。

0
2017年05月24日

Posted by ブクログ

地理は学生時代から好きだったが、最新はブラタモリなどで地形の面白さが広く認知されてきているように感じる。
この本書最初に日本列島はなぜ弓型をしているのか?と言う話があり、ピンポン玉を潰した際にできる凹みを例に説明しており、ただの偶然だろうと思っていた自分の認識の低さを恥じた。

0
2017年04月04日

Posted by ブクログ

私達が歩いているずっと下には何があるのか解き明かしてくれます。
でも住んでる地域のことより富士山の所がよかった。二宮金次郎も富士山噴火の影響をもろ受けたとか。
噴火と地震、日本は切っても切れないですね。

0
2017年03月13日

「学術・語学」ランキング