あらすじ
1941年12月8日、真珠湾攻撃に参加し、1945年8月18日の日本海軍最後の空戦まで戦い抜いた歴戦の搭乗員は、その日、まだ25歳だった。戦死率8割という消耗戦を生き残った若者たちは、あの戦いの最中に何を思い、戦後の混乱のなかでどのように生き抜いていったのか。150人以上の搭乗員たちにインタビューしたジャーナリストによる、平成の若者の祖父たちの激闘と苦闘の記録である。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
後世に生の声を残そうと、重い口を開いた方が多いことを改めて知った。その生の声が当時の様子の説明が入りながら進められ、臨場感を持てた。証言した方々の所属や戦歴が重なり合うところもあり、お互いがどのように過ごし同じ時を過ごされたのか、新しい戦闘機への不満や特攻への懸念など、当時は正面きって言えないが、懸念を呈し、国や仲間を守ろうとされていたことをとても感じた。
Posted by ブクログ
ゼロ戦搭乗員の証言をまとめた神立氏によるノンフィクション。昨年2016年は日本が真珠湾攻撃を実行して75年目の節目でした。この年、その真珠湾攻撃に参加した唯一存命でおられたゼロ戦搭乗員の方がお亡くなりになり、もはや直接の体験として我々の世代がお話を聞くことはできなくなりました。著者の神立氏は、次々と天命を全うされ亡くなられてゆく搭乗員の方の証言を少しでも残そうと取材を重ね、何冊もの著作を残されています。悲惨な戦争体験を直接聞くことが次第に困難になって来る今の時代にこそ、このような著書を通じて戦争がどのようなものなのかを知ることが必要ではないかと思います。ゼロ戦搭乗員を美化することもなく、等身大の証言そのままに残そうとする著者の姿勢には共感できます。ちょっときな臭い昨今の情勢だからこそ、耳を傾けるべき体験ではないかと思います。