【感想・ネタバレ】決定版 一億人の俳句入門のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月31日

なぜ切字を使うのか。
なぜ季語が必要なのか。
この2点に集中して解説してくれます。

特に切字のところが良かったのですが、それは俳句の型の4分類が明快だから。
1 一物仕立て 生きながら一つに冰る海鼠哉
2 一物仕立ての変形 山も庭に動き入るゝや夏座敷
3 取り合わせ 菊の香やならには古き仏達
4 ...続きを読む取り合わせの変形 さまざまの事おもひ出す桜かな

私は以前から俳句には初見でやたら意味がとりにくいものがある、論理の飛躍について行けないものがあると感じていました。
既知のはずの日本語なのに、どのように読めばいいか混乱してしまうのです。

本書の4分類のように有限個のパターンのどれかだというなら、混乱のおそれはずいぶん少なくなります。
しかも、①切れはあるかないか、②一物仕立てか取り合わせか、の2通り×2通りだというのですから、なおさら分かりやすい。

ページ数も少なく、基本的な原理に絞ってあるという感じ。
この原理を足がかりとして、これまで読み飛ばしていた作品を読み直してみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2012年09月05日

 現代俳人を代表する一人でもある長谷川さんによる俳句入門書。俳句の構造から始まり、「切れ」や「季語」といったものに関する解説、果ては類句の問題や文体・表記に関する問題まで、広く浅く説明をしてくれます。

 すごくわかりやすい講義を受けている感じ。まず、アレが説明されて、コレが説明されて、ここでアレの...続きを読む伏線が回収される……というような、うまい講義の流れを体現しているかのような本ですた。
 もう、ほんとにこれ読んだら俳句を始めたくなっちゃったよー。っていうことは、以前かいぶつ句会編『日本語あそび「俳句の一撃」』をレビューしたときも言っているんですけどねー。やっぱりワタクシ、熱しやすく冷めやすいタイプみたいです。

 わかりやすく、広い説明がされているので、良い「教科書」のような印象を受けるわけですが、「教科書」というには長谷川さんの考えが強く入りすぎているという難点はありますな。果たして、ここに書いてある俳句論を普遍的なものとして受け取っていいのかは悩むところ。それはさておいても良い本であることは間違いないですが。


【目次】
俳句をはじめる人へ
第一章 俳句の音楽
第二章 一物仕立てと取り合わせ
第三章 切れと切字
第四章 一物仕立てと取り合わせの見分け方
第五章 一物仕立てと取り合わせの詠み方
第六章 季題と季語
第七章 無季と季重なり
第八章 循環する時間
第九章 日本語の構造
あとがき
俳人別俳句索引

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Posted by ブクログ 2020年02月24日

まだ俳句始めて3ヶ月ほどだが、ちょうど悩んでいたテーマに上手く答えてくれていて助かった。
・韻文と散文
・一物仕立てと取り合わせ
・切れについて
自分が作れるのは一物仕立てばかりだなあ(その単語は知らなかったが)と思っていて早くも限界を感じていたので。散文に近いから取り組みやすいが、内容にはっとする...続きを読む驚き不可欠と、まさに納得。取り合わせのスタイル、切れを有効に入れる、を意識しようと思った。

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Posted by ブクログ 2014年04月30日

第1章 俳句の音楽
第2章 一物仕立てと取り合わせ
第3章 切れと切れ字
第4章 一物仕立てと取り合わせの見分け方
第5章 一物仕立てと取り合わせの詠み方
第6章 季語と季題
第7章 無季と季重なり
第8章 循環する時間
第9章 日本語の構造

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Posted by ブクログ 2012年01月16日

正岡子規や寺田寅彦の影響で、俳句を始めてみたいなーなんて思っていたところ発見。新書ということもあり気軽に手に取った。

最初の一冊として、なかなかによかったと思う。「五七五」「切れ」「季語」などの俳句の約束事について、「なぜその決まりが存在するのか?」という観点から掘り下げて説明してくれるのは初心者...続きを読むにとって大変ありがたい。名句とされる作品を実際に鑑賞しながら話が進められるので、観念的になりがちな論の中でも著者の意図が伝わってきやすいのがよかった。一文字違うだけで名句が駄句になるなど、例を上げて説明されると全くそのとおりだと腑に落ちた。このような確かな実感をもって俳句を鑑賞できたのは初めてかもしれない。大きな収穫。

改めて振り返ってみると、今までは俳句の味わい方というものがよく分かっていなかったのかも。散文を読むときのようにざっと字面を追うばかりで、一語一句を揺るがせにしない姿勢が欠けていたのかなと反省。俳句って今ひとつピンと来ないなーと感じていたのもそのせいかもしれない。本書の内容を自分なりに消化しながら、少しずつ色々な句に触れていきたいと思えた。
俳句を読みたい、そして自分でも俳句を作ってみたい。そんな気持ちが膨らむ一冊。

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Posted by ブクログ 2010年10月03日

俳句を詠むうえで必要な知識である、定型や切字や季語等について解説した本。解説に、松尾芭蕉など多くの俳人の俳句を例に挙げながら、丁寧に解説しています。(2010.2.21)

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Posted by ブクログ 2010年01月03日

俳句を勉強中です。
ほぼ例文は松尾芭蕉で、
古語は使うべきだしルールも遵守すべきなんだが、
今の気持ちを(気持ちを込めようとする時点で間違いなのかもしれないが)、
詠おうとするとむつかしくなる。
思った以上におべんきょうだった。

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