あらすじ
昭和30年代、大阪・猪飼野――当時一千余人の構成員を擁したといわれる"明友会"は、猪飼野がうみだした朝鮮人愚連隊だった。しかしその明友会は、昭和35年、山口組との抗争に敗れ壊滅。三丁目長屋に住む十代のノブオ、ヒウォン、ミツアキ、ヨーカ、わたし、そしてリーダー格の百番地のマサオたちは、時代と地域の色濃い空気に翻弄され影響を受けながら、やがてそれぞれの道を突き進んでいく。
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いろんな人の人生を読んだ気分
作者と仲間達ワルガキ小学生達の生活感のある描写が生き生きして面白い。
それと明友会と呼ばれる終戦直後の愚連隊についての綿密な記録が交互に出てきて、続きを引き込まれて読んでました。
案外作者は仲間達と適度な距離を置いていてワルガキでもない普通の子だったからこそ、仲間達と良好に続いたのかも。
街の変貌とか、在日朝鮮人・韓国人コミュニティーの変貌とかも書かれてます。
読む前、哭くとは吠えるとか暴れるとか雄叫びとか想像してました。
読んだ後、複雑でやるせない境遇の人達が苦しみ泣いているのかな、とも思いました。
内容は過激ですが、表現はそこまでえぐくないです。
仲間でも立場の変動により、その後の人生が各人大きく変わった様子とか、一言で言えない感じです。
おもしろかった、というか読んで良かったです。