【感想・ネタバレ】住友銀行秘史のレビュー

あらすじ

大蔵省とマスコミに「内部告発状」を送ったのは私だ。実力会長を退陣に追い込み、上層部を動かし、わが住友銀行は生き延びた。そのなかで、行内の人間関係が露になり、誰が本物のバンカーなのかもわかってきた。いま明らかになる「イトマン事件」の真実、闇社会の勢力との闘い、銀行内の激しい人事抗争ーー。四半世紀の時を経て、すべてを綴った手帳を初公開する。

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Posted by ブクログ

戦後最大の経済事件イトマン事件について、住友銀行側からの支店を記した本。國重氏が残したメモをベースに構成されている。イトマン事件に関しては一度概要を調べてから本書を読むと理解がより深まると思う。

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2025年02月02日

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学生時代、官庁訪問でいつくかの地検にいったときに、パンフレットや広報映像で代表的な経済事件として取り上げられていたのが、このイトマン事件でした。自分にとってはもの心つくかつかないかの「過去の話」だったわけで、現実感はあまりなかったのですが、それでも、検察が戦った「巨悪」、「社会の闇」の象徴として紹介されていたのが印象に残りました。
さて、本書、さながらリアル半沢直樹の銀行内の権闘争が描かれるわけですが、件の主人公がときに自ら不正に加担したり、明らかに違法な「危ない橋」を渡るのに対して、本主人公は、怪文書「Letter」をだしたり、社長解任を主導したりと暗躍はするものの、一貫して自分の身はきれいで、不正をやっつけた正義漢のスタンスは変わりません。あまりに身ぎれいすぎて、むしろ本書に書かれていない(書けない)部分に何かあるんじゃあるまいかという想像が膨らみます。
刑事事件として終わったものの、解明されない謎やカネの動きも多く、非常に興味深い事件だなと思いました。

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2022年08月11日

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ジャーナリストや記者のルポではなく、当事者の目線で書かれていることから客観性に欠ける部分が多々あること、また著者がヒロイックに書かれ過ぎていることに目を瞑れば、日本を揺るがす経済事件の奇譚として評価が出来ると思う。本人のメモを中心にストーリーが展開していくがスピード感や良い意味での生々しさは特筆するものがある。

上述した客観性を担保する為に本人のメモをベースに記者筆としていたらより高く評価されるノンフィクション作品となったのではないかと思う一方、著者の晩年を知るとそうしなかった理由を垣間見る気がする。

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2025年09月20日

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イトマン事件について、住友銀行側の”中の人”として対応にあたった当人による回想録&まさかの暴露も。ドラマか映画にでもできそうなスリリングな展開。銀行の幹部のおじさん達はなぜ子どものようにに内輪で群れたり権力闘争するんだろうって思って読んでいたら、”役員は自分の仕事を全部部下がやってくれるから暇”とのこと。なるほど。。

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2024年09月29日

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バブル絶頂期にまきおこった、住友銀行とイトマンを巡る事件に関する詳細が記されている。

著者は元住友銀行の元取締役であり、組織内部から状況を伺い、逐一をメモとして残した。住友銀行という組織を護るただ一心に、陰に陽に行動し事件のおとしどころを探っていく姿は、感銘しかない。

巨大組織の中とはいえ、実は組織の大小は問わず、実に人間臭いところで組織が動かされていくことが、手に取るように分かり非常に面白い。

勤め人なら読んでおいて損はない、一冊だ。

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2024年02月26日

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ネタバレ

当時の住銀中堅社員の目線から見たイトマン事件の記録。
あくまでも当時の著者の立場から事件を振り返ったもの。

●危機を察知してからも行内は保身や派閥争いで動きが鈍い。そうこうするうちにイトマンの借金は劇的に膨れ上がる。銀行の危機察知から詐欺師たちの巻き返し、住銀のカネをしゃぶれるだけしゃぶり尽くそうとする詐欺師たち、それに操られる会長、幹部、イトマン、、。
●行内政治、イトマンでの多数派工作、社長の追い落とし、、財界の大物でもある磯田会長を篭絡していた詐欺師、会長や役員に直電する詐欺師、、これ恐ろしいのは事件の全貌はいまだに明らかになっていないということ。今後も明らかにはならない。数千億円が闇に消えた。
●謎は30年たっても謎のほぼ謎のまま。伊藤寿栄光とは何者なのか。そもそも不動産でイトマンの取引相手、それが役員クラスでスカウトされて社長と二人三脚で不動産投資に邁進する。さらにするするっと住銀の会長と昵懇の仲になり、住銀役員に電話で指示したりもする。イトマン社長の嫁が当たり前に5000万円受け取ったとか、イトマン社長は会社のために頑張っていたのか私欲が絡んでいたのか、その辺も謎。磯田会長の娘が勤務する会社での絵画取引、ここに許永中が絡むがここらも謎が多い。登場人物が何を考えてそんなことをしていたのか??というのはわからない。イトマン処理反対派の役員らもどこまでのことを知ってそうしていたかはわからない。磯田会長もどこまで何を知っていたのか知らなかったのかわからない。そういう積み重ねがイトマン事件であるバブルであったというところだろうか。

・磯田会長は戦前生まれのバリバリエリート。
・70歳すぎても住友銀行に君臨、アンタッチャブルな存在に。
・一人娘を通じて詐欺師が侵食。
・磯田会長派の役員は磯田の子飼い。高卒を磯田が引き上げた。
・イトマン社長も磯田の子飼い。高卒を磯田が引き上げた。
・イトマンには住銀が首都圏進出やら初期の不良債権処理を押しつけた貸しがあった。
・著者は中堅幹部候補として事件を知って処理する方向へもってこうと悪戦苦闘。
・著者の上司が当時は役員だった西川善文。のちに頭取として君臨。
・著者が住銀辞めたあとに楽天副会長やらになるのは全て西川の後ろ盾によるもの。
・そういえば東芝もとある社長が傍流の子飼いを自分の出世に帯同させて引き上げて社長にまでして原発で失敗してグループ解体へまっしぐら中なので似てる構造。
・エリートたちの世界はコネ、同期、兄弟分、子飼いなどの関係性でつくられている。案外に狭い世界。そこに地べたにいた詐欺師が入り込んだことで起きたのがイトマン事件などなどバブル期の事件。

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2021年12月30日

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本人のメモ書きを時系列に掲載したもので、所々に解説があるが、イトマン事件全体の説明はないので注意。自分は「堕ちたバンカー」の後に本書を読んだので、流れが理解できたが、これを最初に読んでいたらなんだかわからなかっただろう。
しかし事件当事者の一次資料であり、臨場感があり流れさえわかっていれば大変面白い本だと思う。

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2021年09月05日

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実際に事案に関与した当事者の一人からの、詳細な記録。つぶつぶの事象の列挙が中心で、全体のストーリーが見えにくい面はあるが、迫力はある。実名で記載されており、大企業の派閥争いがうかがい知れる点も興味深い。

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2019年01月01日

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当時の住友銀行の部長が、イトマン事件について書いた本。ほとんどの登場人物が実名で書かれている。著者が当時つけていたメモを基に書かれているため、日付や場所、発言にも信憑性があり、説得力がある。巨大銀行、巨大企業の意思決定のやり方や、内部抗争の実態について理解できた。
「(国会答弁補佐)野一色部長は想定問答集にあちこち付箋をつけて「これでもう完璧だ」と言う。私は「そんなに付箋だらけにしたら、どの付箋が何をさしているこかわからなくなってしまいますよ。こういうのは、自分の知識の範囲で答えるしかないんですよ」と応じた。実際、その場になって彼の担当分野について質問されると、彼はどの付箋だかわからなくなって、ページをめくりながら往生していた」p193
「(役員の動き)皆、流れを読んで、いま何をするのが得策なのかを嗅ぎ取る。それに乗ることにかけては超一流なのだ」p314
「(野村證券 中野常務 1990年)子供を入れたくない企業ワースト10を知っているか。1 イトマン、2 秀和、3 住銀、4 野村證券、5 大昭和製紙。野村が住銀より下なのでホッとしたよ」p452
「(裁判)相手側(許氏や伊藤寿永光氏側)の弁護士も、おそらく元検事総長などの相当の大物がでてくるはずだ。彼らは、検察がどういうロジックで攻めてくるかがわかるから、相当慎重にならざるを得ない」p458
「もし、銀行で頭取になりたいのならどうすればよかったのか。それは何もしないことだ。減点主義の組織なのだから」p464

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2018年10月23日

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ネタバレ

四半世紀前の話だが、銀行員というより、ヤクザな世界だなぁと実感。メモばかりで時間の経過や流れが繋がらないのが残念。ネタはとても良いものなので、池井戸さんあたりが小説にしたら面白いのになぁ。。

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2018年05月25日

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これだけのメモをよく取っていたな、というのが第一印象。
著者ご自身のバイタリティに感服。普通なら心が折れる状況でも、見失わずに貫徹した。
バブルとは、驚きの時代だったということがよくわかる。今ではありえない。
ただ、営業のやり方は参考になる。

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2018年05月15日

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イトマン事件の顛末を当時部長クラスの著者(トップ昇進組、転出後のちに楽天DLJ社長)が、自分の当時の詳細なメモをもとに日時単位で記録する。
イトマンという中堅商社がバブルの最中不動産(ヤクザ絡み)でズブスブになってしまうところに、住友銀行が当時の天皇と呼ばれた会長がこれまた身内共々ズブズブに入り込んでしまい、銀行を巻き添えに総額5000億円の損失を出す。
全く仕事(適正なサービス・商品を提供し対価をもらう)という話がなく、校内の争い、および外部からの圧力を使って内部に関わっていく話が繰り広げられていく。
とても生々しく面白い。銀行が生き生きしていた時代ともいえるが、30年弱でこうも変わるのかという感慨も起こる。

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2018年03月31日

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汚職が発生したとき、人は正義感が自然と生まれてくる。
でも同時に組織人としてのブレイクスルーを全うしなくてはならない。
おまけにバンカーという特殊社会で生きる著者の熱い想いにはただただ頭が下がります。
僕らが日々過ごす中でも起こりうることを刻銘に記述されているこの内容はとても興味深かった。
自分が日々過ごす中で悩むことの解決の糸を教えてくれた気がする、貴重な一冊でした。

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2018年02月06日

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とても興味深く読めた。一流大学を出て、一流企業に勤めても欲と保身の塊である事が良くわかる。日経新聞の記事が企業や官庁の意向によって、記事として掲載されたり、されなかったり、癒着ではないかと思った。

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2017年12月22日

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イトマン事件を住友銀行内部から捉えた本。正直、登場人物の多さや専門的なスキーム、メモ書きがメインであるため読みやすい本ではない。ただ、社内政治の動きやメディア、官僚の対応などが詰め込まれており、巻頭の人物説明や相関図を参考に丁寧に読み解けば、ビジネスマンとして知見を広げられる一冊です。ので、がっつり読みたい人にオススメです!

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2017年10月19日

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まとまりのないメモなので、読みにくい。
知っている人が何人か登場するし、興味がある事件ではあるけど、読むのに時間がかかってしまった。

イトマン事件のことは全然知らなかったので、まずはどういう事件だったのか調べてから読む必要があった。

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2024年10月16日

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ちょっと銀行の方でないとわからないような用語があったり、断片的なメモが続いていくスタイルなのであらすじがつかめなかったり、読むのに少し苦労した。イトマン事件についてあらかじめ概要を知っておいてから読んだ方が楽しめたかなと思う。
著者の正義感とかポリシーとかの良し悪しは置いておいて、大銀行相手に怪文書を使って撹乱したり、裏工作をしたりと、かなり充実した体験をされた方だなと思った。
あとは、どちらかと言うと悪役が魅力的だった。保身に走る銀行役員らより欲望のままに行動していく伊藤氏などの方が惹かれるものがあった

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2022年09月03日

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当時イトマン事件があったという程度の知識しかなかったが、内情を記した本書は読んでいて期待以上に面白かった。

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2020年02月12日

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実名で住友銀行の裏側を描いています。筆者は頭取候補、エースと言われていたのに、この著書ですっかり評判を落としてしまいました。

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2019年10月22日

Posted by ブクログ

★本書の成り立ちが恐ろしい★住友銀行秘史というよりはイトマン事件の深層といった方が正しいだろう。新聞記者を巻き込み、著者のいう正義感からイトマン事件を世に訴えた力業がすごい。当時のメモを並べているのが内容の中心なので物語としての深みに欠けるが、著者からみた当時の人間模様は天皇・磯田氏を軸に面白くは読める。なぜ社内の人間の行動をこれだけつかめていたのかというと、磯田会長の秘書を愛人にしていたからという。本書には直接は書いていないが、そこが一番、闇が深い。

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2018年11月07日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれ(笑)
秘史というほど・・・確かに登場する人物は行内はもちろん大蔵省など固有名詞バンバンで、臨場感はあるものの、読み進めていくと、時間軸に迷子になってしまい、このイトマン事件ってどのくらい続いたのか???
でしたが、巻末に年表があり、1990年1月から1991年4月とわずか1年ちょっとの間でこれだけのお金が動いていたんですね?( ; ゜Д゜)

ちなみに世の中の動きとしては、ゴルバチョフ氏がソ連初代大統領や湾岸戦争勃発などがあったようです。

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2018年10月15日

Posted by ブクログ

いまだ謎の多いイトマン事件を、銀行内部の目線で当時の記録と共に公開されている/ 雅叙園観光、コスモポリタン池田、五えんや、川崎定徳、宅見組、南青山三丁目、とバブル史に残るワードがでてきて面白い/ 非常に興味深いし、貴重な資料であると思う/ しかしこれを読んだ伊藤寿永光がデタラメも多いと反論している/ 一般的にイトマンと住友の財産が食われたとされる経済事件だが、実際には住友は加害者だったとする論もある/ 住友銀行の保身のために切り捨てられ財産を毟り取られた伊藤氏という図式が一番しっくりくる/ 関係した裏社会の関係者はほとんど亡くなったのではないだろうか/ この事件のすべてを紐解くには、許永中と伊藤寿永光側からの暴露が不可欠である/ 生きている内に真相を語って欲しい/

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2018年10月08日

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 ド迫力のドキュメント!驚くべき日本のトップ企業の裏幕。著者は業務渉外部・部付部長として住友銀行を救うために!イトマン事件を内部にあって日経記者と協力し密かに日銀・大蔵省・その他マスコミ・金融機関などに内部告発し、磯田一郎住銀会長、河村良彦イトマン社長を辞任に追い込むが、達成感はなく虚しかったという心境はその通りだろう。記者にしてもスクープではなく、突出することによる誤報扱いで萎んでしまうことを恐れて他の新聞にも情報を流すことがあるのだ!すでに四半世紀前となった空前の経済事件において詳細なメモを残していたという著者が、今なら迷惑をかける人も少なかろうということで実名入りのドキュメンタリーになったもの。それにしても権力を巡る腐敗、権謀術数、面従腹背、右顧左眄…人間の醜さがここまではっきりと描かれているのは痛快であるとともに、哀しい思いにもなる。磯田・河村氏・西貞三郎・住銀副頭取らの描写は容赦なく、ここまで書くの!?という感想はあったが、恐らくメモがある以上はかなりの部分が事実なのだろう。憶測もかなり含まれているが、それを著者たちの会話・電話の内容として言及していることは非常に効果的な書き方だと思う。反磯田の改革派とされる巽外夫頭取、玉井英二副頭取たちでさえ著者の評価は厳しく、唯一松下武義常務のみがブレのない人物として描かれている。正義の側に立つ神の目の立場の著者だが、真実は闇だと思う。

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2018年09月02日

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メモと自分のいけんが中心だからどのくらい真実なのか、真実はおそらく人間の数だけあるしなあ、と思いつつ。
先日読んだ闇社会の守護神と同時期で別角度からの話。
同じ事件を語っているわけではないので、中立性を重んじるのであればもっと多面的に見ないといけないが、こういう時代だったんだろうな、サラリーマンの出世競争の本業との無関係さを感じますね。。

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2018年08月11日

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生まれる前の事件ということもあって、ピンとこなかったというのが正直な感想。
登場人物や、その思惑の多さから、理解が難しくはあったけれど、イトマン事件という出来事があって、内部ではこんな動きがありました、ということを知れた。
少し文学的な表現も多くて読みづらい部分はあったけれど、社内政治の様子は生々しく伝わった。
銀行の、サラリーマンの生き方の縮図、みたいなものが見えたような気がします。

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2018年06月16日

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イトマン事件の裏側。
なんつか。

事件自体の記憶があんまりないし。
当時やっぱり組織の中で上手く立ち回ったんじゃないかという感じが否めない。今更、銀行のため、社会のためと言ったって、あなたを信じて裏切られた人もたくさんいたわけだよね。それを、保身しか考えてないとバッサリ切る。そうかもしれないけど、信じてた人に結局裏でコケにされてた人たちはいたたたまれない。

構成としても、当時のメモと、本文が錯綜するのは読みづらい。どっちかにしてほしかった。

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2018年04月22日

Posted by ブクログ

住友銀行当事者の一人によるイトマン事件の内幕。ずるずると闇の勢力に食い物にされてく銀行の体たらくが描かれる。
備忘録のメモと70才のお爺ちゃんの記憶に基づくものなので、かなりとっちらかってる。イトマン事件の概要を他の本で掴んでないと読むの厳しい。

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2018年01月11日

Posted by ブクログ

住友銀行で取締役まで勤めた著者が若かりし頃のメモをもとに書き起こしたイトマン事件ノンフィクション・ドキュメンタリー。イトマン事件自体は、僕の記憶にも明確に残っているのだが、なにぶん世間を知らない年頃だったため「なにが何だかよく判らない事件」という印象しかなかった。そのせいもあってか、いまさらその内情を暴露されてもさほどの感銘はない。著者の筆も、ノンフィクション向きではなく、まあ 70の爺さんが書いた雑文という印象。

しかし、住友銀行という巨大企業が一会長、一副頭取の私物として喰いものにされ、シテ筋や地上げ屋が公然と日本ビジネスの登場人物となり、株主総会と言えばヤクザが仕切るのが当然とされていた時代背景は生き生きと描かれており、ただただ唖然とするばかりだ。日本の金融業界は、当時と比べれば遥かに透明性があり、一般投資家保護の仕組があり、暴力団組織との縁も薄くなってはいるが、しかし、その本質は何も変わっていないのではないかと思うことも時折あり、背筋が寒くなることもしばしば。

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2018年01月05日

Posted by ブクログ

イトマン対策を住銀の裏で行って来た人の暗闘のメモ。
住銀内に留まらず、マスコミ、大蔵省、日銀、検察まで情報を流して操作するなど、想像を絶する世界。
どこにでも、権力を握ると腐敗する人がいるが、それと住銀内の人事派閥抗争がからみ、繰り広げられるドタバタ劇には唖然とさせられる。
これでは闇の勢力に付け込まれるのもわかる。

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2017年10月24日

Posted by ブクログ

今だからやっと書けるんだろうな…という企業内部のことこまかな記録。サラリーマンがここまで実名でバンバン発言を晒されるなら、もうちょい自分自身のことも厳しく振り替えってほしかった。バブルの頃のこういう記録は貴重だと思う。どこの業界でも、あの頃の仕事量、勢い、人間の野蛮さなど、もう経験できないなにかがあると思う。

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2017年10月20日

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