無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
学生時代、官庁訪問でいつくかの地検にいったときに、パンフレットや広報映像で代表的な経済事件として取り上げられていたのが、このイトマン事件でした。自分にとってはもの心つくかつかないかの「過去の話」だったわけで、現実感はあまりなかったのですが、それでも、検察が戦った「巨悪」、「社会の闇」の象徴として紹介されていたのが印象に残りました。
さて、本書、さながらリアル半沢直樹の銀行内の権闘争が描かれるわけですが、件の主人公がときに自ら不正に加担したり、明らかに違法な「危ない橋」を渡るのに対して、本主人公は、怪文書「Letter」をだしたり、社長解任を主導したりと暗躍はするものの、一貫して自分の身はきれいで、不正をやっつけた正義漢のスタンスは変わりません。あまりに身ぎれいすぎて、むしろ本書に書かれていない(書けない)部分に何かあるんじゃあるまいかという想像が膨らみます。
刑事事件として終わったものの、解明されない謎やカネの動きも多く、非常に興味深い事件だなと思いました。
Posted by ブクログ
当時の住友銀行の部長が、イトマン事件について書いた本。ほとんどの登場人物が実名で書かれている。著者が当時つけていたメモを基に書かれているため、日付や場所、発言にも信憑性があり、説得力がある。巨大銀行、巨大企業の意思決定のやり方や、内部抗争の実態について理解できた。
「(国会答弁補佐)野一色部長は想定問答集にあちこち付箋をつけて「これでもう完璧だ」と言う。私は「そんなに付箋だらけにしたら、どの付箋が何をさしているこかわからなくなってしまいますよ。こういうのは、自分の知識の範囲で答えるしかないんですよ」と応じた。実際、その場になって彼の担当分野について質問されると、彼はどの付箋だかわからなくなって、ページをめくりながら往生していた」p193
「(役員の動き)皆、流れを読んで、いま何をするのが得策なのかを嗅ぎ取る。それに乗ることにかけては超一流なのだ」p314
「(野村證券 中野常務 1990年)子供を入れたくない企業ワースト10を知っているか。1 イトマン、2 秀和、3 住銀、4 野村證券、5 大昭和製紙。野村が住銀より下なのでホッとしたよ」p452
「(裁判)相手側(許氏や伊藤寿永光氏側)の弁護士も、おそらく元検事総長などの相当の大物がでてくるはずだ。彼らは、検察がどういうロジックで攻めてくるかがわかるから、相当慎重にならざるを得ない」p458
「もし、銀行で頭取になりたいのならどうすればよかったのか。それは何もしないことだ。減点主義の組織なのだから」p464
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。