【感想・ネタバレ】レイさんといた夏のレビュー

あらすじ

中1の一学期を終えて転校した莉緒は、"汚部屋"にこもりっきり。新たな人間関係に恐怖すら覚える莉緒にとって、うんざりの夏休みだった。そんな莉緒の前に現れた、どこから見てもヤンキー姿の少女の幽霊。成仏できていない彼女は、「生前、誰かとふれ合ったときのエピソード」をヒントに、自分が何者だったのかを知ろうとする。ヒッキーとヤンキー、通い合い始めたふたりの心。少女たちは、むき出しの自分の心に触れた――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

★3つというのはYAとして。大人が読むには物足りない。

 最近のYAにはひきこもり、いじめ、不登校が絶対といっていいほど出てきて、またか、という感じだが、これも主人公がいじめにあって引きこもり中の女子中学生。そこに自分が誰だか思い出せない幽霊が現れて、幽霊の自分探しと主人公の自分探しが重なるっていう設定。なかなか読ませるし、ちょっと泣かせるようなところもあり、悪くはない。
 ただ、いじめの原因が、生理が来てないのに来てるふりをしたということから始まっていて、そこがまあ新しい感じもするのだが、それくらいでいじめられるかね?引きこもるかね?ちょっと共感しにくい。
 それから幽霊の名前がわからないのでとりあえず「レイさん」と呼ぶわけだけど、あとからわかる本名も同じで、だったら「レイさん」と呼ばれた時点で、「はっ」としないかい?
 中学生だった主人公の母親がレイさんにかけた言葉が、常識に縛られた大人の発言そのもので、わけあって不良になり、不良仲間とつるむことだけに喜びを感じている中学生なら、一番腹が立つ言葉なんだけど、なぜかレイさんも主人公もその言葉を全く不愉快に思わず、自分を思いやってくれたと感謝しているところが一番疑問だった。こういう本は基本的に「普通の子」が読むから、あまりおかしいと読者自身も感じないかもしれないけど、本当に学校になじめない子や感受性の鋭い子、賢い子なら、その欺瞞をすぐに見抜くはず。書き手が思春期の子をターゲットにしていながら、心はすっかり世間体を気にする普通の大人であるというのが露呈している。

日本のYAならこんなものなのかな。

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2017年04月22日

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