あらすじ
植物状態の娘を持つ刑事・夏目信人(なつめのぶひと)。夏目は5つの事件に対し、誰も気づけない手がかりから鮮やかに謎を解いていく。抜き差しならない状況に追い込まれた事件関係者たちの心を見つめる夏目が、最後にした"約束"とは。無類の題材、怒濤の展開、衝撃の結末。いまも近くで起きているかもしれない事件を取り上げ、圧巻の筆致で畳み掛ける、乱歩賞作家・薬丸岳の真骨頂! あなたは五度驚き、五度涙する!
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Posted by ブクログ
オーディブルにて
娘さんの目が覚めてよかった。
10年という歳月を考えると手放しで喜ぶことはできないが
それでも明るい未来が待っていると信じたい。
Posted by ブクログ
・終の住処
「思い出ですよ。ご主人との思い出を嚙み締めながら最後の時間を過ごしたいというのが彼女の希望だったんじゃないですか」
・刑事の約束
「人を憎むことでしか生きられない、人を殺すことでしか生きられない心をなくした人間だっているんだ。ぼくのようにね」
まさかの連続でした。娘さんが目覚めるのがまさかでしたし、前作の「オムライス」の少年が今度は犯罪者になってしまうのもまさかでした。でも親に殺されそうになったことがある子どもが真っ当な人生を歩めるはずもないと思う。犯罪までは犯さないかもしれないけどずっと人を疑いながら生きていくような人生なんかじゃないかな。母親が子どもの心を殺さなければ今回の事件は起きなかったことだから。次作もこの少年のことには触れて欲しいなと思う。もちろん娘さんのことも。
Posted by ブクログ
夏目刑事シリーズ(?)第3弾。過去作に登場した何人かが再登場していますが、検事の志藤と「オムライス」に登場した裕馬以外はパッと思い出せず…… 良くも悪くも現実的な設定・言動のキャラクターが多く、強烈な個性を持った人物が少ないから?(実際は、単に私の記憶力の問題なのでしょうけど……)
連作短編で各話興味深いものではあるのですが、最終話「刑事の約束」のインパクト(昏睡状態にあった絵美の目覚めと「オムライス」での被害者・裕馬がとってしまった行動の2点)が強すぎて、それ以外の作品の印象が霞んでしまいました。
最終話は拡充して別冊にしてくれた方が、他作品の良さが薄まることなく、また「刑事のまなざし」を読んでいない人にもわかりやすいものになったんじゃないかと思ってしまいました(余計なお世話かと思いますが……)。