あらすじ
アサヒスーパードライから、ビール王者の座を奪回せよ――地方のダメ支店発、キリンビールの「常識はずれの大改革」が始まった!筆者はキリンビール元営業本部長。「売る」ことを真摯に考え続けた男が実践した方法とは?驚異の逆転劇から学ぶ、営業の極意、現状を打破する突破口の見つけ方!大切なのは、「何のために働くのか」「自分の会社の存在意義は何なのか」という理念を自分で考え抜くことだ!
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Posted by ブクログ
食品メーカーで働いているので普通の読者よりもさらに現場の風景が思い浮かび、心を打たれた。飲料はもちろん、食品メーカーの人は一読する価値がある。
かつて、本部指示にひたすら従うだけの御用聞き営業の現場。
市場で勝っていたからこそ、のらりくらりしていたキリン。そんなところを営業力と製品力を蓄えたアサヒに追撃され首位奪還を許す。
本部と戦いながらも、自支店に必要なことをするようになった著者の行動を振り返る。
著者が名古屋支店で行った、「キリンラガーにまつわるエピソードを投稿すると抽選で純金天守閣プレゼントキャンペーン」のところ、涙。。
自分の会社が作っている製品は毎日見飽きているものだが、世界中の人に思い出と共に愛用されている。そんなことを改めて思った。営業、特に飲料メーカーの営業はbtobで間接的だが、その先には「お客様」の幸せや飲用シーンに必ず貢献している。いい気づきになった。
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以下、メモ↓
・結果のコミュニケーション
メンバーが自発的な目標を定め、リーダーとの間で約束したら、その合意のけっかをしっかり検証するやり方。結果のみ重視する。これは夜職のホストやコンサルの育成に似てるかも。
今までうまく行ってなかったことも自分たちの選択だったことを自覚させ、自分で目標をたてさせる。ノルマではなく自発的コミットメント。
なぜできないのか、できなかったのか、こうすれば?などお互い納得するまで突き詰める。結果のクロージングにこだわる。
やらされてる感は生まれないやり方。
4ヶ月の法則で、続ければ当たり前になる。3ヶ月目が辛い。週間は4ヶ月目から。
・同じ県でもシェア率の差がある
消費者は、味はさほど気づいていない(←ぐうわかる)。消費者に手に取られる明暗をわけるのは「情報」。
美味しそう、元気がいい、売れてるらしい、、ビールを飲む場所いずれにも目立つ場所にたくさん置いてあるのが売れていて美味しいビール、とのこと。情報で飲まれている。今はsns効果とコンビニキャンペーンのマーケ施策が大いに営業あるだろうが。
飲料は波のようなもの。
イメージが大衆心理に押し寄せる。
一度波が起こるとメーカーの手を離れ、手の施しようがなくなる。
これは本当に真理。逆も然りで、一度波を作ることさえできればに波はとめどなく続く。(ex.チョコレートカカオ70%以上は健康に良い、ケンタッキーとクリスマス、コカ・コーラとクリスマス、トクホ)
・ブランドはメーカーのものではなく、お客様のものである
味を変えると超批判をくらい落ちる点から。
・数値目標よりビジョン共有
どこにでもキリンビールがある、と言うビジョンを打ち立てた後数字は追わない。
農家の休憩でルーティン的に飲まれるビールが全部キリンだったら、、漁師の船に積むのが全部キリンだったら、、そう考えて動く営業マンたち。ビジョン原点だからこそ思い浮かんだことである。
・軸があれば自由になれる スタンスの重要性
言われるがままにやってきた人は変わりづらい。やれ!勝て!といわれてもわからないから。砂礫の短い人や女性の方が前向きに捉えて行動スタイルを早期に変化させた。
視点や心の置き方を変えられるか?が行動スタイルを変えられるかに影響する。
身を捨てられるか?
「そこで今まで見えなかった景色が見える。」ことで人は成長する。
・チームワーク 同じ使命を持つ
同じ共通目標を持ってるチームであればKPIよりもその使命のために頑張れる。なぜこの仕事をしているかの意義を持たせることが大事。
・考え方や方針ではなく、わかりやすく今日の仕事に直結する具体的なものに 人は影響をうける。
exへんな考えではなく会議禁止!
Posted by ブクログ
成績が悪くなるほど,本社では会議が続き,営業現場へはこれをやれ,あれをやれという指示が増えてくる。そうなると,その指示をいかにこなすか,忠実に守るか,という受け身の営業スタイルに陥り,言われたことをこなすだけで精一杯となるのがよくあるパターンだ。
掃除をすれば店主が喜んでくれるので続けている。これは目的と手段のはき違え。よく考えれば売り上げを伸ばす営業活動ではない。意味のないところに力を使っているはわかっているのだが,ほかにやるべきことが思いつかないので言われたとおりにやる(=なにも考えていない)。負け組の発想・精神風土。
このような問題があるので解決したいと具体的に伝える。高知支店は全体としてふわっとしていて中途半端。営業に限らずどんな仕事でもやることを絞ってやるのがあたりまえ。そして,その結果成功したのか失敗したのか検証されないのでは次に生かせない。
本当にやる気のある人は私とマンツーマンで真剣にやったかやらなかったかを詰めていこう。そしてやれなかったことをどうやってやれるようにするか,明日からこの結果のコミュニケーションをしっかりやろう。
「バカでもわかる単純明快。」と大きく書いた紙を貼っておいた。100人いたら100人がすぐにわかるような施策が必要だと考えた。単純なことを愚直に地道に徹底してやる。とういうこと。
結果はどうだったのか?目標が達成できていなかったとすれば,何故できなかったのか?努力が足りなかったのか,こうすれば良いのではないか?という問答をお互いが納得するまで突き詰める。→結果のクロージングにこだわる。これが結果のコミュニケーション。やったつもりが許されない。見てないことは罪。やっていないことは悪。逃さない。逃げられないという環境を作ることにより徐々に本気になる。
結果のコミュニケーションを毎月毎月粘り強く続けていくと一人ひとりに徐々に基礎体力がついてくる。「勝つための営業活動」を始めてスタートさせた営業マンはとにかく訪問するということに慣れていなかったので最初はとにかく辛かったと話す。
とにかく数を回りたいので,1件当たりの滞在時間も5分程度と短くしなければならない。ならば,その5分で相手に関心や交換を持ってもらうにはどうすればいいのかという工夫がでてくる。
チームワークとは何か?それは馴れ合いではなく。一人一人が自立することによってお互いを認め合って生まるもの。・それぞえれが相手のために役立つことは何かを考えるようになる。結果のコミュニケーションを通じてそれぞれが自分の約束に責任を持つようになる。だからそこチームワークが生まれてきた。
高知が一番というキャッチコピーは本来お客にとって何のメリットもない。しかし,このキャッチコピーは高知の人々の琴線に触れた。
結局,行動スタイルを変えることができるかどうかは簡単に言えば視点や心置き方を変えて見られるかどうかですし,人によっては身を捨てられるかどうかということでしょう。すべてをなげうって集中すると見えなかったものが見えてくる。当然,壁にもぶつかる。しかし,そこで死に物狂いで壁を乗り越えることで,今まで見えなかったものが見える。そして,自分の成長につながる。
真剣に相談する人には協力してあげたくなる。
必死に頑張っている人は応援したくなる。
勘違いが多かったのは料飲店を回るとの目的と捉えてしまうこと。大切なのはキリンのあるべき状態をつくる&キリンのメッセージを伝える。というビジョンを実現させようとすることなのです。どやってビジョンに到達するかは,自らの決意と覚悟,どれだか自分で考えて工夫することができるかにかかっている。
会議が好きな風土の会社は実行への関心が希薄になる。正しい施策を作ること辞退への関心が大きいから,会議が多い。そして,習慣化した会議は内向きの言い訳づくりの場であったり,何の課題解決にもならない者が多い。
仕事とは理念に裏打ちされたビジョンを達成するもの。上から命令された施策や企画を中術にこなすことのみが仕事だとする考えは間違い。疑問を持たず,ただこなすだけの仕事は面白くない。
勝つことの重要性を理解してもらうには商品力によるのではなく営業力、すなわち自分の力で勝つことを経験してもらう必要がある。競合と差が開くのは実行力の差である。
主体性を持つ:指示まちスタイル変革。自分の頭で考え、行動して主体的に議論をする。組織や立場にとらわれずに最終目標に向かうためには自由に意見を述べること。組織の壁に萎縮して大事な意見を述べないことは組織の損失。
研修では理解できても持ち場に戻ると実行できないことが多い。実行力を高める必要性。
理念とはなんのために仕事をするのかこの会社はなんで成り立っているのか。根本・源流はなんなのか?そこを考え抜いて行き着くIdentity。困ったときの道しるべ。但し、理念を現実にどう生かすのかはきわめて困難。一方で理念がないと前進しない。
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<2021年5月再読>
過去の功績に胡坐をかいており、危機感がない。当事者意識が欠けているチームをモチベーションをあげるチームワークづくり。
特に若いメンバーは戦い方を知らなかっただけではないか?
チームが切磋琢磨し、チームのためにという意識を持たせる。人のせいにしない。
現場の実行力を上げるために、理念、ビジョンを共有する。
勝ちに対する行動にこだわる。結果を出すことにこだわる。
指示待ちではなく、自ら動く。
メンバーはなにをしたいのか、自分になにをしてもらいたいのか?とヒアリングを実施する。
高知は一番が大好き!というお客さんの心をつかむポイントを見つけたことが大きな成功要因だと思う。ローカリゼーションが大事!現場をしっかり観察する。顧客視点!