【感想・ネタバレ】映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年04月26日

[地獄より深きところへ]松方弘樹を主演に迎え,ヤクザ映画の転換期に上映された東映の『北陸代理戦争』。この映画の上映からわずか数か月後,主役のモデルとなった「北陸の帝王」が映画の展開とまったく同じように殺害される。関係者に衝撃を与えたその暗殺劇に,いったい『北陸代理戦争』はどれほど関わりを持っていたの...続きを読むか......。映画(特に脚本)とヤクザという業について掘って掘って掘り下げまくった一冊です。著者は,自身も映画の製作及び脚本を担当した経験を持つ伊藤彰彦。


あらすじに惚れ込んで購入したのですが,その期待をまったく裏切らない作品。70年代を中心とする東映ヤクザ映画についても,北陸の裏社会についてもまったく知らなかったのですが,この2つの社会が「下剋上」というキーワードを軸にして『北陸代理戦争』でお互いの業を混じり合わせていく過程にグイグイと引き込まれました。興行師と裏社会の関わりがどういったものだったかについて知ることができたのも◎。

〜「創作意欲をかきたてるネタを掴むと,貪欲に食いつくし,前後分別を忘れる......それが活動屋の本能や。奈落を招いたのは活動屋の業や」〜

次は映画を観てみようか☆5つ

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Posted by ブクログ 2017年11月12日

公開直後に、映画と同じシチュエーションでモデルとなった組長が殺害された伝説のヤクザ映画の魔と奈落。
「仁義なき戦い」から始まる東映実録ヤクザもの。時流に乗ってヒットプログラムになった実録モノが、何故終焉を迎えたのか。「北陸代理戦争」を舞台に、関わった男たちの壮絶な生きざまが、正に実録で描かれる渾身の...続きを読むドキュメント。

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Posted by ブクログ 2016年07月26日

 かつて、実録やくざ映画というジャンルがあり、そのモデルとなった組長が映画公開後に殺される事件があったなどとは知らなかった。
 映画が花形産業であったころ、役者や監督ここまで過酷な環境で作品を撮っていたのかと驚く。あと、ほんとにやくざが社会の一機能として組み込まれていた時代があったんだなぁと。

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Posted by ブクログ 2018年02月19日

ありえません、きっと今じゃ。映画と現実、虚と実、裏と表、ファンタジーとドキュメンタリーが入り乱れて、スクリーンの上での殺人が現実の殺人を引き起こしていくなんて。南米の幻想小説みたいなことが北陸の小さな街で起こっていく。この東映映画の暴走がプログラムピクチャーの最期の花火であることは今だからわかること...続きを読む。その後、映画興行は一本立ての洋画型大作過ぎになっていくのです。それにしても制作者も観客も役者もヤクザも何に急き立てられていたのでしょうか?時代は何に欲望を掻き立てられていたのでしょうか?

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Posted by ブクログ 2023年02月21日

やくざ映画に端を発した殺人事件が起こる。その経緯を描くドキュメント。
起こるべくして起こった事件だった。
やくざと芸能界の密接な関係、高度成長期の高揚とした世界、邦画が娯楽の中心にあった時代、その空気が感じられたよい作品だった。

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