あらすじ
講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版の第2冊目。「シルクロード」とは、単なる「ロマン溢れる東西交易路」などではなく、政治・経済・宗教・文化交流・戦争の現場、すなわち世界史の舞台だった。突厥、ウイグル、チベットなど諸民族が入り乱れたこの地域で、大きな足跡を残して姿を消した「ソグド人」とは。騎馬遊牧民の動向を追い、中央ユーラシアの草原から中華主義とヨーロッパ中心史観の打倒を訴える。
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Posted by ブクログ
20240730026
大唐帝国を支えたシルクロードは物だけではなく多民族が入り混じるユニバーサルな国だった。唐、突厥、ウイグル、ソグド。様々な民族が時代を彩る。
Posted by ブクログ
漢民族の国ではない、中央ユーラシア史に位置づけられる唐帝国の歴史を描く。その中にはシルクロードで活躍するソグド人の商人、取引される奴隷、唐の社会で流行を巻き起こした「胡」の文物などが描かれる。確かに高度な内容なのだが、限られた資料から歴史を読み解く面白さも味わえる内容だと思う。
Posted by ブクログ
唐の内部事情をのみ扱うのかなと読みはじめたら外部との関係の話題がほぼ占めており、やや戸惑った。特に1章から2章へ接続して、ソグド人にまつわる論が展開する流れは読む目的がよくわからなくなってしまった。
ところが、3章以降は比較的に面白く読めて、私が不勉強なだけだが、突厥と古ウイグル(回鶻でいいのかな)の唐との影響関係などは抜群におもしろい。つまり、唐というフレームで論じるのが土台無理というのがハッキリするし、つまりそれは企画の限界に到達ってことだ。シリーズは4巻まではユーラシアで一貫して扱うようだが。
Posted by ブクログ
ソグド人をメインとして遊牧民族に焦点を当てた歴史の叙述はとても面白いのだが、筆者が西欧・中華中心史観を敵対しする描写が強すぎて逆に偏りを感じてしまう箇所が多かったのが少し残念。まあそれだけ実際の教育や研究も西欧中心史観に偏りすぎていたということではあるのだが。でも主張の内容自体には納得できる。
Posted by ブクログ
「興亡の世界史」に合わない。
唐の興亡とシルクロード世界の関わりが主題と思いきや、何かと「ソグド人」ばかり出てくるし、自分の成果ばかりが鼻に付くし、資料の紹介も細かすぎる。マニアック過ぎて一般の読者向けではない。
西洋史観に対する批判には多いに賛成
Posted by ブクログ
世界史は西欧中心主義に基づき長年に亘りインプットされてきたが、このシリーズは地球の人類の歴史を扱っている。普通の世界史は、4大文明から地中海文明そしてヨーロッパの歴史が3/4であるが、このシリーズで西欧史は1/4程度。ユーラシア大陸の中心で活躍していた騎馬民族は、世界史で取り上げることがなかった。
とても科学的で説得力があります。